残したかった風景へ涙が…
熱狂的な空気が充満した横浜BLITZ。そして終盤戦となるここからは、再び『scene〜残したい風景〜』へ収録した楽曲を中心としたブロックへ…。
「こうやって元気でいられる当たり前のことが、何よりも大切なんだということを、去年入院してるときに強く実感しました。その頃の気持ちを形にした曲を幾つか歌いたいと思います」
まずは、ミニ・アルバム『scene〜残したい風景〜』のプロデュースを手掛けた小林建樹さんのナンバーでもある「挫折の味を知っているかい、奈落に底へ落ちてく気分さ」という歌詞も衝撃的な『REPLAY』から。
切々としたピアノの調べにノせ、振り絞るようその声を響かせてゆく直純くん。その悲哀を帯びた歌声は、まさしく昨夏の頃の自分の気持ちを想い返してるかのようだった。
そんな哀惜な感情から一転(と言いつつ、歌詞はかなり内性的ですが)、『カナリヤ』では、全身から力を解き放つかのよう思いきり高らかに…開放的に歌ってゆく姿も登場。
そして岩手県の様々な風景を映し出した映像と共に始まった『まほうの手』では、背景へ映し出される郷愁を帯びた映像の数々と歌詞へ込めた想い、そして直純くん自身の昂る気持ちが重なりあい、観てるこちら側までグッと涙ぐんでしまうくらい込みあげゆく感情の昂りを、歌の中へ生み出していた。中でも実家でおばあちゃんと再会したときの風景や、おばあちゃんと繋いだ手を映し出したポラロイド写真の映像が流れたときには、目頭が熱くなるほどの感動を体験。おばあちゃんの手の温もりが、直純くんにとっての捜し当てた風景であり、残したい想いというのをわかっているからこそ、あの歌と映像がリンクしたときには、込み上げゆく想いを隠すことの出来ない自分が居た。きっとあの風景へ、自らいろんな想いも重ね合わせ、心で泣いていた人たちも数多くいたことだろう。
「次の曲は、みんなへの感謝の気持ちをギュッと込めて歌いたいと思います」
そして本編最後に奏でられたのが、込み上げゆく感情のままスケール感あふれた演奏に乗せ、哀惜たっぷりに歌いあげた、『雨の空は晴れだった』。
演奏が進むにつれ、大きな感動の音色を響かせてゆく楽曲。そして感涙な調べを乗せたクライマックス時に彼は、「今日は会えて嬉しかったです。本当にありがとうございました」と、満員の観客へ想いを伝えながら、ステージ上を去っていった。
|