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チャリティーライブ『頑張ろうNIPPON!! 届けアニソン魂』
2011年3月11日、日本を大きな災害が襲った。その名も、東日本大震災。震災がもたらした数々の被害の前に誰もが絶望を感じ、日本は一時真っ暗な闇の中に落とされた。そんな中、「今こそ、アニソンの持つ“元気の力”が必要だ!」という強い信念のもと、数々のアニソン歌手達が集まり、チャリティーライブ『頑張ろうNIPPON!! 届けアニソン魂』を開催。4月16日、パセラ銀座BENOAには、同じ志を持ったアニソンファンが大勢足を運んだ。
TEXT:斉藤 碧

ニコ動で活躍中の作曲家たちのプロジェクトとは……

イベントのオープニングアクトを飾ったのは、チャリティプロジェクト・#charity_songのみなさん (キセノンPさん・じゅったろさん)。#charity_songは、キセノンPさんを中心としたニコニコ動画で活躍している作曲家達が、自身の楽曲を各音楽配信サイトで販売し、その収益を義援金として寄付しようというプロジェクト。

この日は、声優の内田彩さんが、キセノンPさんの制作した「hand to hand」と、そうまPさん(作曲)&キアリクさん(作詞)の作った「hero」(キアリクさんがギターで参加)を披露した。普段は歌の活動をメインにしているわけではなく、少し不安そうにしていた内田さん。しかし、たくさんの拍手や歓声がが彼女を支えるように力強く響くと、笑顔を見せながら精一杯に歌いきった。もともとはボーカロイドのために作られた曲ゆえ、どちらの曲も高度な技術を必要とするのだが、だからこそ、彼女の一生懸命に歌う姿に多くの人が心を打たれ、勇気を与えられたに違いない。


そして、大歓声の中、最初のゲスト・結城アイラさんが登場。「自分が元気にならないと、周りの人を元気にするのって難しいことじゃない?だから、そのパワーを自分の心へも届けられるように精一杯盛り上がっていきましょう!」と呼びかけ「伝説の勇者の伝説」オープニング曲『LAMENT〜やがて喜びを〜』を力強く歌い上げた。

彼女の言葉通り、アーティストは一方的に元気を与える存在ではない。観客の伸ばした無数の腕が、激しくリズムを刻みながら、アイラさんのもとへとパワーを放っていた。アーティストもファンも互いに煽り合い、より強いパワーを放っていくという相乗効果。その場にいる誰もが「日本のみんなを元気にしたい」という1つの強い願いを抱えて、音楽を楽しんでいた。また、「装甲騎兵ボトムズCase;IRVINE」のオープニング曲『星を求めて』では、深い悲しみを癒すように壮大に歌い上げ、盛り上げるだけが人を元気にする手段ではないことを、彼女の歌は教えてくれた。


キュートdeポップなうちやえゆか、そしてクールでスタイリッシュなZwei!

少しクールダウンした体に、とびきり笑顔のうちやえゆかさんが再び元気を注入!「一緒に歌ってください!」と叫ぶと、「おねがいマイメロディ きららっ」のオープニング曲『きらきらキララ☆彡』のキュートな歌声&振付で会場をノせていった。彼女の底抜けの明るさが、みんなの心を一気にライトアップ!うちやえさんの声に負けないほど大きなかけ声が多方から自然と溢れだし、中には、彼女のひと声に突き動かされて、観客全員が拳を突き上げる瞬間もあった。

「任せて!Splash☆Star〜!」その一言と共に、彼女の代表曲とも言える『まかせて★スプラッシュ☆スター★』 (「ふたりはプリキュア Splash☆Star」のオープニング曲)が流れると、会場はさらにヒートアップ。うちやえさんもファンも一体となり、「2人はプリキュア!Splash☆Star!!」と叫ぶほどに、テンションは急上昇!アニソンライブの醍醐味でもある、アットホームな一体感に、心も体も元気になれたステージだった。


続いて、ステージに現れたのは、クールかつスタイリッシュな出で立ちのZweiの2人。Meguさんの掻き鳴らすベース音と、Ayumuさんの少しハスキーで伸びやかな歌声が、アニソンという枠を越えて熱いロック魂を伝えていた。今回の歌唱が本邦初公開だという『風の旋律』 (PSP用恋愛アドベンチャーゲーム「メモリーズオフ ゆびきりの記憶」のオープニング曲)を歌った後には、「個人的には、風の旋律というタイトル通りに、苦しかったり楽しかったりいろいろな表情がある曲だなと思って歌わせてもらって、ちょっと感情的になりました(笑)」とコメント。

「日本中明るくするのはここからだろ!」と、恒例の「ワッショイ!」コール(メンバーと観客とで交互にコールをするもの)で士気を高めると『小指のパラドックス』 (Xbox 360 専用ソフト『メモリーズオフ ゆびきりの記憶』のオープニング曲)へと駈け出していった。まさに「姉御!」と呼びたくなるようなAyumuさんのパワフルなパフォーマンス。時折はにかみながら力強い音を放っていくMeguさんのペースソロ。その勇ましい姿に、日本中が勇気づけられたことだろう。

伝説の魔法少女・太田貴子とフレッシュな声優ユニット・HAKOIRI-娘!

……と、ここで、会場の雰囲気はまたガラッと変わる。懐かしの名作「魔法の天使クリィミーマミ」で主役声優と主題歌を担当した、太田貴子さんが登場したのだ。ステッキを持った女性ファンも多く見受けられる中、「貴子〜!!」という熱狂的な男性ファンのかけ声に支えられて『デリケートに好きして』『BIN・KANルージュ(21st century ver.)』を披露。

ベテランならではの会場の盛り上がり具合は圧巻!誰でも1度は耳にしたことのある2曲に、ファンならずとも体を揺らして笑顔を浮かべていた。名曲は何年経っても記憶に残っているものだが、アニソンだからこそ、小さな頃の思い出と共に多くの人の心に刻まれているのだろう。ダンサー(HAKOIRI-娘)を引き連れ、昔と変わらずハツラツと歌い踊る様子が、「魔法の天使クリィミーマミ」を、その主題歌達を永遠のものにしている。そう感じた。


そのままHAKOIRI-娘のステージへ。女性声優4人が集まって結成されているユニットであるHAKOIRI-娘の持ち味は、フレッシュさ!可愛らしい制服姿で、全身全霊でオリジナルナンバー『Taking Off』を歌う。顔いっぱいに浮かべた笑顔で、全国に元気を発信していた。若さとは、何も恐れずに全力で生きられる、希望の塊のようなもの。その希望の光を放ちながら踊る彼女達の歌には、「こんな時だからこそ、前向きに進んでいこう!」そんなストレートなメッセージが感じられた。

不動のナンバーを持つ彩音&谷本貴義

「みなさん!準備できてますかー!?」イベント後半戦は不動の人気を誇る彩音さんが、会場の興奮をより高めていく。今、アーティストである自分がみんなに出来ること、それは歌うということ。その使命を背負っているかのような表情で、PSPソフト「ひぐらしデイブレイク Portable」の主題歌『その先にある、誰かの笑顔の為に』を熱唱。遠くを見つめる強い目線の先には、離れた地で精一杯生きようとしている多くの人の姿があったに違いない。それでいて、会場に集まった観客1人1人の表情を確認するように見渡し、満足げに微笑んでいる様子も、印象的に映った。

色とりどりのサイリウムが彩った会場の美しさ、その中で激しく繰り返されるヲタ芸…まさに、アニソンライブの神髄がそこにはあった。そして、いつものように「Arrival of!」「Tears!」というファンとの掛け合いから『Arrival of Tears』 (「11eyes」のオープニング曲)へ突入。堂々と存在感を見せつける彩音さんの歌声が、会場にいる人達のアニソン魂に点火。真っ赤な心の炎は、連鎖して、会場全体を燃え上がらせた。

続いて、「アニキー!」という歓声に包まれ、ソウルフルな歌声を響かせたのは谷本貴義さん。「金色のガッシュベル!!」のオープニング曲『見えない翼』を圧倒的な歌唱力で歌い、観客の心をガッと掴むと、アニソン魂の名を語るにふさわしい、熱くかっこいい“男のライブ”を見せてくれた。谷本さんのライブと言えば「ドラゴンボール改」のオープニング曲『Dragon Soul』は定番!

この日も、「東日本大震災で被災されてる方々に元気を分けてくれ!Dokkan Dokkan行くぞー!」と叫び「Dokkan Dokkan!!」コールが炸裂した。高まる興奮をシャウトで表現しながら、体全体で大迫力のパフォーマンスをぶちかます谷本さん。会場に集まった人々のパワーを元気玉に変えて、被災地にいる人達へと見事に弾き飛ばした。アニソンは人と人との心を繋ぐ魂の歌。そう再確認させられた瞬間となった。


空間を魅了する川村万梨阿と、空間を弾けさせるくまのきよみ

そこへ「みんなにじんわり元気になってもらえたらと思って…」とバラードを用意して現れたのは川村万梨阿さん宮路一昭さん (ギター)& 嶋田智子さん (キーボード)。柔らかなアコースティックギターの音に導かれるように『YOU RAISE ME UP』 (「ロミオ×ジュリエット」のオープニング曲)の世界へと引き込んでいく。

ピアノと絡み合いながら、会場にゆっくりと広がっていく、川村さんの上品な高音ボイス。直前まで大興奮で暴れていた観客達も、静かにその音に耳を澄ませていた。「あなたが傍にいてくれたら、高い山の上にも登ることができる。嵐の海も渡っていける。あなたが肩を貸してくれたら」というこの曲の歌詞は、実は川村さんが英詞を日本語に訳したもの。そこには「互いに支え合いながら頑張っていこう」という川村さんの想いが垣間見えた。そして、「心の中から、夢とか希望とか愛とか、そういうものが痩せてしまわないように。そういうものを育てるのが、漫画やアニメやゲームや音楽だと思うので、夢の種を育てる感じでこれからも頑張っていきたい」と話すと『ありがとう』 (「マール王国の人形姫/天使のプレゼント」エンディング曲)を披露。静かな中にも、前を見据える強い意志を感じるこの曲。まっすぐに心に差し込む一筋の光のよう、観客1人1人の心に訴えかけると、その想いに賛同する温かい拍手がいつまでも鳴り響いた。

そんな楽しいライブのラストを飾るのは、くまのきよみさん。最近では作詞家として活躍している彼女だが、この日は、自身の持ち曲の作曲を担当した宮路さんの呼びかけで、歌手としてステージに立った。『シノブ参上!』 (「ニニンがシノブ伝」のオープニング曲)と『ダンスDEにゃんにゃん』 (「ニャンダーかめん」のエンディング曲)のメドレーを歌い、久しぶりのステージとは思えない一体感で、“誰もが楽しめるアニソンライブ”を体現。可愛い歌詞やゆるく明るい雰囲気に、フッと笑顔になってしまったのは、私だけではないはずだ。「にゃあ〜!!」と叫ぶくまのさんの満面の笑みが、イベントのラストを華々しく彩った。

全員集合!

そして、再びこの日の出演者がステージへ登場。各々が胸に抱えている想いを語った。

内田彩さん
音楽の力って大きいなって思いました。笑顔でどんどん日本を盛り上げていければなと思います!」

結城アイラさん
当たり前だと思っていた毎日が、当たり前じゃなかったんだなってことに気づかされた震災でした。
私達に出来ることって言ったら最初は小さなことに感じるかもしれないですけど、そんな小さな力がたくさん集まって、大きな力になるということを、みなさんどうか信じてほしいと思います。

うちやえゆかさん
みんなと一緒に楽しく歌える歌、子供達にとっては笑顔いっぱいになるような、そんな企画を実行できるように努めていきたいと思っています。
1日でも早い復興を願っています。

Zwei・Meguさん
今日イベントに来てくれたみんな、そしてゲストのみなさん、スタッフのみなさん、1人1人の心が大きいパワーとなって、少しでも被災地のみなさんの笑顔になってくれたら嬉しいです。

Zwei・Ayumuさん
日本人の心と知恵は、とてつもないパワーを持っていると思ってます。
一緒に立ち向かっていきましょう!

太田貴子さん
(日本人は)みんな協力的で優しい方がたくさんいるので、一緒に協力して支えていきましょうね!

HAKOIRI-娘
1人じゃないよ。
笑顔を忘れないで。みんなで力を合わせましょう!

谷本貴義さん
日本が心を1つにして、この震災を乗り越えていきましょう!

川村万梨阿さん
愛や夢や希望をきっと忘れないで、心の中からその明りを消さないでください。
明日に向かって歩いていきましょう。

宮路一昭さん
We are oneの精神でみなさんと共に頑張っていきます。

嶋田智子さん
安心してゆっくり休める日が来るように、私も出来る限りのことはしていきますので、是非一緒に乗り越えていきましょう。

彩音さん
これからも、勇気や希望を与えられるアニソンシンガーでいれたらいいなと思っています。
ありがとうございました。

くまのきよみさん
(こういうライブをすることで) みなさんが楽しんでいただくことによって、私達が楽しむことによって、被災地への手助けが出来るのであれば、それは長く続けられる行為なのではないかなと思っています。
長く長く、みんなで力を合わせて応援していけたらいいなと思っています。
元気な日本に戻るまで、ご協力よろしくお願いします。

そんなメッセージを話すと、最後にDREAMS COME TRUEの『何度でも』を出演者全員で歌い、イベントは終了した。しかし、本当の戦いはこれから。「アニソン魂は日本を、地球を救う!」その信念を抱きながら、アニソンシンガー達の日本救済は続く。

セットリスト
M1.hand to hand/内田彩
M2.hero/内田彩
M3.星を求めて/結城アイラ
M4. LAMENT〜やがて喜びを〜/結城アイラ
M5.きらきらキララ☆彡/うちやえゆか
M6. まかせて★スプラッシュ☆スター★/うちやえゆか
M7.風の旋律/Zwei
M8.小指のパラドックス/Zwei
M9.デリケートに好きして/太田貴子
M10.BIN・KANルージュ(21st century ver.)/太田貴子
M11.Taking Off/HAKOIRI-娘
M12.その先にある、誰かの笑顔の為に/彩音
M13.Arrival of Tears/彩音
M14.見えない翼/谷本貴義
M15.Dragon Soul/谷本貴義
M16.YOU RAISE ME UP/川村万梨阿
M17.ありがとう/川村万梨阿
M18.シノブ参上!〜ダンスDEにゃんにゃん/くまのきよみ
M19.何度でも/出演者全員