大人たちを童心に戻す魔法の歌声 |
扉を開けるとそこは、ジャズレストランという大人だけの素敵な空間。客席はすでに埋め尽くされ、観客は、美味しいお酒と食事に舌鼓を打ちながら、麻弥さんの登場を待っていた。
そして、『夢見る頃を過ぎても』からライブはスタート。心地よい生バンドの音と麻弥さんの優しく温かい声が、ゆっくりと夢のSHOW TIMEへと心を誘う。彼女の歌声に宿る、大人達を童心に戻す魔法の力。1曲目から、その力の凄さを堂々と見せつけると、そんな歌の力に魅入られた仲間たちが、力強い拍手をステージに注いでいた。
音楽のフルコースを召し上がれ! |
「震災から4週間。きっと大変なことがおありになったでしょう。そして、ライブなんて行って良いのか?と迷われた方も多いかなと思います。私も同じで、歌って良いのかな?と悩みました。でも、元気が今は一番必要なのではないかと思いました。今日は、みんなの想いを一つにしましょう。今日は私のフルコースを用意しております。たくさん召し上がってください。」
そんなMCを挟み、続いて観客の前に運ばれたのは爽やかな耳触りの『My ア・ラ・カルト』。ハツラツと歌い上げる彼女の笑顔が、日常に不安を抱える人々の心に勇気と元気の種を蒔いていく。離れ離れになった人々がいつか笑顔の花を咲かせて再会することを祈って、歌う。そう、前回のライブで“今日”という日に再会することを祈って歌ったように。それほどまでに、麻弥さんのライブには「また出会う時を思いながら歌う」というスタイルが根付いている。だからこそ、『Reply〜再会の時〜』での♪再会という人生のご褒美♪というフレーズが、大きな困難を越えてこの日また再会出来たことの素晴らしさを各々の心に強く刻みつけていた。
ここで、再びMCに突入。
「今日は私のBirthday Special コンサートなんですけど…」と話しだすと、客席からは温かい拍手が。また、近況報告として、初めて行った海外公演(『GENERATION G IN HONG KONG LIVE』)での面白エピソードを話し、会場を沸かせた。
しかし、その後、この日ライブで初披露したという『110km/hのハーバーライト』や、しっとりとしたバラード『何処で逢っても泣かない』では、観客をグッと曲の世界観に惹き込む麻弥さん。まるで歌の向こうに、香港の夜景や星の輝く夜空が映し出されているよう。忙しない毎日の中で疲れ切った体に、穏やかに沁み渡った。
CMソングの女王・鮎川麻弥! |

実は、彼女がさまざまなTVCMを担当していることをみなさんはご存知だろうか? この日は、26年来のファンが多くいたにも関わらず、ご自身が歌っているCMソングやサウンドロゴ(2秒程度、会社名だけを歌うもの)を一挙に流すと、「こんなものまで!?」と観客は驚いていた。それに絡めて、伊勢丹のテーマソングになっている『ワンダーランド』をライブ初披露。その名の通り、リズミカルでキラキラと光を放つ曲に合わせ、客席からは自然と手拍子が溢れだした。
洋楽大好きな麻弥さんだけに、やっぱりこの日も洋楽コーナーは健在。『Close to you』『We’ve only just begun』『Desperado』といったカーペンターズ・メドレー、デイヴィッド・フォスターがプロデュースし、チャカ・カーンが歌った『Through the fire』、ダイナミックな演奏が映えるクルセイダーズの『Street life』をソウルフルに歌い上げ、その卓越した技術を存分に見せつけると、第1部は『45rpmのGod Bless You』で元気に幕を下ろした。
美しい第2部の幕開け |
第2部は、『Good-bye to love』の切なくも優しい風のような歌声から始まった。まずは会場全員で深呼吸をして、観客との心の距離を縮めながらMCへ。
「渋谷は私が高校時代を過ごした場所なんです。」と懐かしい学生時代の思い出を語る、Birthday Special LiveならではのMCに、観客は熱心に耳を澄ませていた。バンドガールだった高校時代から時は流れ、アーティスト・鮎川麻弥の歌う『愛はロマネスク』や『ロゼ色の彼方へ』といったアダルティな曲たち。Birthday Special Liveという特別な一瞬を彩る色とりどりの楽曲たちを前に、観客は、麻弥さんが今まで過ごしてきた音楽人生へと想いを馳せたことだろう。
この記念日を美しく彩ったのは歌だけではない。彼女の名曲になぞって用意された「夕映え〜yu-bae〜」というカクテルが、美しくも心強いメッセージを放つバラード『夕映え』と共に、心と体を満たしていく。私達がこの幸せな一瞬を過ごしている時も、苦しい環境の中で必死に生き抜こうとしている人がいる。♪ピリオド打つその日まで 夢に終わりはない♪そう、歌に希望を乗せて飛ばす彼女の歌声に、激しく心を打たれたのは他でもない。
届け!アニソンパワー! |
ひとまず、アダルティなムードはここで一旦休憩。
「さぁ、2部も後半戦です。アニソン歌っていいですか〜?(笑)」
もちろん「待ってました!」と言わんばかりの大きな拍手が沸き起こり、「機動戦士Z・ガンダム」のオープニング・テーマ『Z・刻をこえて』、「機甲戦記ドラグナー」のオープニング・テーマ『夢色チェイサー』といったキャッチーなアニソン・ナンバーがパワフルに会場を盛り上げる。そして、アニソンコーナーのラストを飾ったのは「重戦機エルガイム」のオープニング・テーマ『風のノー・リプライ』。アニソン歌手・鮎川麻弥が好きな人も、知らなかった人も一つとなり、手を振りながら曲の世界観に浸っていた。
店内の雰囲気に飲まれ、前半は静かに聞き入っていた観客も、アニソン・メドレーでスイッチがON!「We are young!」と、まさしく少年少女に戻ったように無邪気に叫びながら、ラスト2曲『週末の少年』『風が聴こえる朝』をノリノリで楽しんだ。
すると、突然バンドメンバーが「ハッピバースデートゥーユー♪」と歌いだし、キャンドルに火の灯されたケーキと花束がステージに登場。麻弥さんは、「やられた〜!」と笑いながら、「Birthdayコンサートってやるもんだね(笑)。ありがとうございます!」と観客にとびきりの笑顔を向けていた。
更なる再会の時まで…… |
アンコールでは、ご自身がデビュー当時からずっとお世話になっている東北の方を通じて、この日の収益を義援金として寄付することを発表。「初めてのバースデーライブで、初めてのチャリティーライヴ。深く心の中にずっとずっと残っていくライブになったと思います。」とコメントすると、「何があっても負けないよっていう曲、“Don't Worry”聴いてください。」と『Don't Worry』を歌い上げた。Don't Worry…それは、明日も前向きに頑張ろうと思わせる魔法の言葉。それが幾度となく繰り返される度、強く生きる勇気をもらえたように感じたのは、私だけではないはずだ。
そして、ラストは、柔らかなピアノの音がとろけるように沁み入る『I LOVE YOU』。生バンドの繊細な音色が最大限に引き出されるシンプルなバラードが、メモリアル・ライブの終演を静かに告げた。
「本当にありがとうございました。みんな元気で頑張りましょう!元気でまた会いましょう!」
また再会できる日を夢見て、ファンも麻弥さん自身も、それぞれの日常へと歩みだした。
| 2011.4.9.「鮎川麻弥 Birthday Special LIVE- in JZ Brat」セットリスト −第1部− |
関連リンク ●オフィシャルホームページ ●キングレコード内アーティストページ ●オフィシャルブログ ![]() ●「鮎川麻弥 Reply〜Acoustic Live!!〜」レポート <2008.09掲載> ●鮎川麻弥 25th Anniversary Live「Reply〜再会の時〜」レポート <2009.12掲載> ●富野由悠季監督×鮎川麻弥スペシャル対談 <2009.11掲載> ![]() ●『Reply-MAMI AYUKAWA 25th Anniversary Best Album-』ロングインタビュー <2009.10掲載> ![]() ●赤坂GRAFFITライブレポート <2008.12掲載> ●南青山MANDALAライブレポート <2008.09掲載> |


