この日、南青山MANDALAで行うライブは、鮎川麻弥さんにとって1年3カ月ぶりとなるワンマン・コンサート。すっかり秋に突入して…という予測とは裏腹に、この日は最後の夏の悪あがきとも言うべきか、この季節にしては珍しい真夏日和。そんな暑い日々とはいえ、麻弥さん自身は2部制のライブを構築しながら、しっとり大人な表情を持った歌の数々を、われわれに届けてくれました。。。もちろん、しっとりだけで終わるわけがないと、先にお伝えしておきますけどね。
キーボディスト須藤賢一の奏でる美しい旋律に乗せながら、ドレス姿の麻弥さんがステージに登場。この日のステージ第一部の1曲目を飾ったのは、「一緒に楽しもう」と唄いかけていく『Welcome to my heart』。まさに、これから始まる楽しい時間をともに過ごしていくうえで、観る側の気持ちさえもはしゃがせてくれる楽曲だ。 一転、澄み渡る美しい旋律と優しき温もりを抱かせる歌声が会場中に流れてきた。聞き手の心を穏やかに包み込んでいく、『夢見る頃を過ぎても』の演奏だ。一点の曇りもない静謐さを持った楽曲が、演奏が進むにつれ、次第に熱を帯びていく。その歌声や音色に抱かれていると、なぜか気持ちも自然と浮かれていく。 「今宵は1年3カ月ぶりのワンマン・コンサートになります。今年はCDを3枚もリリースしてと忙しく活動しながら、待望のオリジナル作品も出せたことが本当に嬉しかったんです」 近況を軽く語ったところで、ここからは大人なムードあふれる楽曲を次々と演奏。アーバン・ソウルな匂いを醸しだす『あの頃にスマイル』を通し、優しく身体を揺らしていけば、艶やかな歌声を魅力に、愛しき想いを切々と伝えるかのよう情感たっぷりに唄いあげた、しっとりとしたムーディな歌『ロング・ディスタンス#813』を会場中に優しく響かせていく麻弥さん。
MCでは、携帯電話を使った告白話についての話を、コミカルさ交じりに語っていく。そんなプチスマイル・モードを作りあげたところで演奏は、ジャジーでムーディな4 BEATナンバー『Approach』へ。なんてエレガントでロマンチックな風景なんだろう。終盤ハミングしながら自由に歌声をはべらしていくときの姿は、まさに自由を謳歌していく歌姫のような表情だった。 続く、スタンダード・ナンバー『L-O-V-E』をスウィートな胸キュン・モードで唄ってゆく姿を観たときは、観ている僕ら自身も、胸をキュンキュンすくくすられたような心地良い気分だった。さらにバラード歌『Over the rainbow』を、しっとり大人な色気を持ちながら歌ったときの声の表情には、麻弥さん独自の艶な匂いを感じてしまったほどだ。 続くMCでは、靴好きな麻弥さんらしく、靴にまつわる話をあれこれ披露。なぜか、シンデレラが履いていたガラスの靴の話になり、「ガラスってねぇ」と、そこから独自の麻弥論が飛び交っていった。
第一部の終盤では、ゆったり旋律の上を漂うピアノの音色に乗せ、スロー・ナンバー『ここから』を歌いあげていく麻弥さん。麗しき香りを抱きながらも徐々に盛り上がりを見せていく様に、聴いている僕ら自身の気持ちも、ゆっくり優しく高揚していった。 そして、最新マキシ盤より『Drive』を演奏。ソウルフルに、しかも跳ねたビートに乗せ、楽曲はどんどん情熱性を帯びていく。 第一部のラストは、最新マキシ盤の表題歌『愛しいあなたはここにいる』を、頭の中に浮かんだ風景を思い出し、その景色に向かって唄いかけるよう、優しくたおだやかに綴れ織っていく。演奏が進むにつれ、ジワジワと昂っていく感動の想い。その歌に触れ続けているだけで、気持ちに晴れやかさを覚えながらも、ジワジワッとした想いに包み込まれていくような感覚だった。
パンツルックとアクティブな姿で、ふたたびステージ上に現れた麻弥さん。第二部は、『Autumn Songs Medley』と題した、秋にまつわる楽曲たちを集めたメドレー・コーナーからスタート。『Autumn Leaves(枯れ葉)』から幕を明けた演奏は、『Autumn In New York』、古な香りを持った日本のスタンダード・ナンバー(童謡ですね)『赤とんぼ』や『里の秋』と続き、次第に『秋桜』などポップス・ナンバーへと以降していく。楽曲が変わるごとに、加速度をあげていく演奏。サザンオールスターズの『勝手にシンドバッド』のミッド・バラードなアレンジ歌をきっかけに、一気に弾けたポップ・ムードへ突入。竹内まりやの唄う『セプテンバー』から、E.W&Fの『September』へ演奏がシフトしていく小粋な遊び心や、ディスコ・チューンが登場しての盛り上がりムードなど、巧みに場内の空気を温めていく様は、さすが麻弥さん。メドレー・コーナーの最後は、『何処で逢っても泣かない』を唄い、ロマンチックにシメてくれました。
続いて演奏したのが、俳優の辻本祐樹くんに提供した楽曲のセルフ・カバー『風が僕を追いこしてく』。「切ない歌として作曲したが、辻本君の爽やかなキャラで明るい方向になってしまった」とMCでも語っていたよう、この日のステージでも、ゆったりとした速度を持ったほの明るくも爽やかな雰囲気を持った曲として、麻弥さんは歌いあげてくれた。 そしてここからは、弾けたロックなモードに突入。疾走感満載な『BON BOYAGE』を通し会場中の空気を温めたあとは、ついに出ました『ガンダム・シリーズ』ナンバーたち。まずはスタイリッシュ&ムーディな『星空のBelieve』を唄い、会場中の人たちの気持ちを励ませたところで、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」を通し高橋瞳が歌っていたナンバー『僕たちの行方』を。力強くも躍動性を持った、張り上げたロックな歌声で熱唱していく麻弥さんの姿は、いつもとは違った表情として見えてきたこともあり、とても新鮮だった。 そして最後は、穏やかなピアノの調べを身に受けながら、スロー&ムーディな酔いしれ系ナンバー『「おやすみ」の頬笑み』を歌い、しっとりと第二部の幕を閉じていった。
アンコールでは、「ガンダム」シリーズを彩る歌でもある『LOVE & PEACE』を演奏。大きく手拍子をしたり、観客たちとコール&レスポンスを繰りげながら、最後に一体化した熱い熱気を作りあげていった麻弥さん。 この日は、秋に行うライブということで、比較的しっとりとした大人なムード味わえるメニューを中心に据えていたが、やっぱり熱い熱狂的な姿もまた、麻弥さんには欠かせない魅力。そんな麻弥さんの持ち味を、季節外れの夏模様を持ったこの日の気候が、僕らに教えてくれた…そんな気分でした。
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