声優劇団RATの第2回公演となる舞台『陸の界賊〜弐之章〜街角の英雄』が、7月24〜29日に神楽坂theatre iwatoで開催になった。エキサイトアニメでは、今回の公演のレッスン風景を事前にレポート。取材したのが、公演まで残り2週間強という、かなり切羽詰まった時期。とはいえその時点でも、まだ通し稽古まで入れてないくらい、スタッフ陣としてはかなりハラハラドキドキ…「本当に公演など出来るのだろうか?!」という状態だったのも事実。そんな心配が後を絶たないスタッフ陣とは裏腹に、役者陣の気迫だけは、あの頃からすごいものがあった。「とにかくやってやる」「やるしかないんだ」「ぶつかっていけ!!」そんな気迫のみで、日々の稽古に邁進していた劇団員たち。。。 その気迫が、すべてをプラスに変えていった…と書くと褒めすぎかも知れないが、いざ公演の蓋を開けたら、チケットはすべて完売。大盛況となった。これも、日々のレッスンに加え、必死に公演に向けプロモーションに奔走した劇団員たちの想いが伝わった成果だと、僕は思っている。 また肝心の公演自体も、始まる前は「まだまだ観せられるものではないけど…」というスタッフ陣の不安や心配とは裏腹に、お世辞抜きに、観る側の気持ちを終始引きずり込んでいくだけの、“魅せる、心を惹きつける、気持ちを揺さぶる”演技であり、“観客たちを引き込む”物語を形作っていたのは、間違いのない事実。そりゃあ細かいことを言ったらキリがないが、何よりも“観る者を楽しませる”エンターテイメントな舞台を作り上げていた事実には、素直に拍手を贈りたい。 いくつもの物語が交錯していく、陸の界賊誕生秘話
この物語は、第1回公演で披露した『陸の界賊〜オカノカイゾク〜』の、陸の界賊たちが誕生する前の物語。「何故、陸(人間が住む地上界)に彷徨う魂を八犬童子が成仏させようとするのか」「霊守の泪枯、背天の裏斬、不忘の憂我、3人の童子が、なぜ陸に降り立ったのか」「人間から何故、神である不動明王に使える童子に選ばれ、天界へと導かれたのか」という謎を、「ヒーローショーを通し、ヒーローに憧れを抱く若者たち」「マンションの屋上で自殺しようとしている女性」という2つのシチュエーションの中で描かれる騒動を通し描写。その異なる2つの背景を繋いでいるのが、生成(きなり)という元ヒーローショーのリーダーの存在。さらにそこへ、この街で生まれた英雄物語が重なりあい、幾つもの柱を持った物語が同時進行しながら、『陸の界賊〜街角の英雄〜』という大きな物語が形作られていく。 その者に成りきっている役者たちこの舞台、物語背景が意外と複雑だけに、その内容をしっかり把握していかないと、観てる側の頭の中に「???」の文字が浮かんでしまう。それだけ、演じる側に“観る人たちを理解させていけるだけの力量”が問われていく。確かに今回の公演では、細かいセリフ廻しの中に、「そのセリフが意図していた想いとは?!」が不鮮明に映る場面が幾度となく出てしまっていた。でも、そのマイナス面を含んでさえも、「伝えよう」「役の人物その人に成りきろう」という気持ちを、全員が強く持っていたからだろう。観ている僕らは、舞台上にいる彼ら彼女らが、本当にヒーローに憧れる青年たちであり、本気で心病んでしまっている女性だったり、魂の救済に苦悩する童子たちとして見えていたのも事実。そう、あの小さな舞台が、本当にデパートや病院の屋上に見えていた。。。そこまでの度量を魅せれたことに、僕は素直に敬意を評したい。 そして、次なる展開に期待して。。。きっとこの公演をすべて終えたとき、劇団RATの団員たちは、大海へ進んでいくために必要な羅針盤を手にしたことだろう。無我夢中で航海に乗り出した新生RATのメンバーたち。でも、今回の公演をきっかけに、彼らの前にはきっと、進むべき道標が定められたに違いない。その船が進むべき道は、きっと劇団員や、劇団の座長である小川輝晃氏、そしてプロデューサーの松原勝彦氏の目には、今頃しっかりと映し出されていることだろう。 その指し示す次なる光の道標を、僕らはまた楽しみに待ち続けていたい。もちろん、エキサイトアニメ内に設置したブログ『界賊たちの稽古場日誌』でも、公演後もズッと彼ら彼女らは、いろんな想いを語り続けてくれることだろう。そのブログが、これからも僕らと劇団RATを繋ぎ続ける大切な交流の場になっていくことを願いながら、これを劇団員たちに対する、そして劇団RATを支えている制作陣やファンの人たちに対する応援と、素直な喜びや感動を覚えたことへの感謝の言葉に変えていきたい。。。 「次の舞台、マジ期待してるよっ!!」 TEXT:長澤智典
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