幻想的な物語/熱狂的なリアルワールド幻想/物語的な世界観に彩られていた、野川さくらの4thアルバム『てのひらのなかのルピカ』。彼女はこの中へ詰め込んだ世界観を再現すべく、2部構成という形を取りながら今回のコンサートを作りあげた。 二部構成と言えば、昨年中野サンプラザで演った「PoTeChi」ライブのことを思い出す。その日の模様を収録したLIVE DVDも、つい最近発売になったし。すぐに詳細を知りたい方は、エキサイトアニメ内「クローズアップ」の中へ特集記事が置かれているので、そちらをご覧になっていただきたい。 この日は、アコースティックな編成で世界観を奏でた「第一部」。熱狂的な盛り上がりを作りあげた「第二部」と、静/動を描きあげた二つの構成で華やかにステージを表現。ここまでなら昨年演った「PoTeChi」ライブと同じだが、今年は描き方へさらに工夫や奥深さが増していた。。。 音楽/演技/映像が一体化し作りあげた、物語第一部では、童話のよう魅惑的/摩訶不思議な物語を描きあげたアルバム『てのひらのなかのルピカ』の世界観を再現してゆく構成が形作られていた。いや、再現と言うのは妥当な表現ではない。新たに「ルピカ」という物語を、土台(アルバム)を元に作りあげたと言ったほうが正解だろう。 〜『ルピカ』『秘密の箱』〜 まるで蝶のような姿をしたルピカ。ルピカは深い緑へ導かれるよう、森の奥へ奥へと、その羽根を羽ばたかせながら進んでゆく。。。 『ルピカ』『秘密の箱』と幻想/幻惑的な風景を映し出しながら、心を不思議な国へと導いてゆくステージ上での演奏。 〜『空の花園』〜 森は、ルピカを懐へと呼び寄せてゆく。。。そんな森が発した、言葉。。。。。 「森が光を失いかけている…」 ステージ上では、椅子に腰掛けた野川さくらが、緑色の厚い本を開きながら、物語を朗読し始めてゆく。。。 その言葉は、まるで森の心を代弁したかのようだ。。。 森が発した言葉の真意を確かめようと、好奇心の赴くまま、森の奥へ奥へと羽ばたき続けてゆくルピカ。 何時しかルピカは蝶から鳥へと姿を変え、新しい何かへ出会えるかも…という期待を胸に飛び続けてゆく。。。 進みゆく風景へ楽曲を重ねあわせながら物語を彩るように野川さくらは、その歌声を通し、麗しき麗美な演奏『空の花園』へルピカの姿を映しだしていく。 〜『失恋記念日』『言えないけど…大好き』『途中までの方程式』〜 ルピカがたどり着いたのは、1枚の扉の前だった。 「森が消えていく…」 あまりにも深い悲しみを携えた言葉が、ストーリーテラーとして物語を綴れ織る野川さくらの口から零れ落ちた。。。 切々とした想いへ寄り添うような悲哀さを覚えた、『失恋記念日』。優しげな希望の光も抱かせゆく、『言えないけど…大好き』。心優しげに歌いかけた『途中までの方程式』と、演奏は続いてゆく。 〜『ミルクティ』『ただいま』〜 扉の奥へ広がったのは、都会の喧騒だった。 人々が森の息吹を奪い去ったのか…そんな疑問を胸に、ルピカは人々の間を飛び交いながら、幾つもの扉をくぐり続けていった。。。 「また何処かで悲しみの声がする…」 「森が悲しみに埋もれていくよう…」 絶望の声を上げる森の精。。。その森を救う術を見いだしてくれたのが、ルピカだった。 「助けて…終わりのない悲しみから、助けて」 スクリーンへ言葉として綴られた、森の叫び。。。。 無数にある扉の中から…たった一つ、、、未来への扉を見つけ出したルピカ。。。開いた扉の向こうへと広がった、無垢な世界。。。 『ミルクティ』『ただいま』と開放的な表情を持った歌を奏でながら、絶望の淵から希望を見いだしゆくまでの森の姿と、森へ希望の光を授けたルピカの姿とが、楽曲を通し色鮮やかに描かれていく。 〜『星の降る丘』〜 「悲しみに惑わされてはだめ」 野川さくらの声が響きわたる場内。。 その言葉をきっかけに、ルピカは天空へ登り、光り輝き。やがて夜空から降り注ぐ星の雨となり、地上へ振り注ぎ始めた。。。 開きゆく心模様を慈しむよう、野川さくらは『星の降る丘』を開放的な想いのまま、優しく歌いあげてゆく。。。。 最後スクリーンに映し出された言葉、、、それは……。。。。。 「この歌を届けたい…悲しみが空を覆い尽くしたとしても、何時も君を想っているから…」 約1時間というステージの中に描きあげた、音楽/演技/映像を駆使した幻想的な物語。正直これだけ読んでも、どこか漠然としてしまうだろう。でも、今はそれでいいと思っている。なぜなら、その答えを知りたければ、9月に登場するLIVE DVDを観れば解決することだから。。。この文章は、それまでのヒントとして、ここへは記しておきたい。 熱狂が熱狂を呼び起こす、ウルトラオレンジな興奮〜『Good morning〜にゃっほ〜♪』『裸足で行きましょ!〜Nude On Melody〜』〜 第二部はまさに、”熱狂”という言葉が相応しいステージングを展開していた。冒頭を飾った『Good morning〜にゃっほ〜♪』の時点ですでに、会場中は総立ち/絶叫/飛び跳ねながらと、ピンクやウルトラオレンジのサイリウムを振りまくっての狂乱/狂熱な様相が繰り広げられていた。 続く『裸足で行きましょ!〜Nude On Melody〜』でも、その勢いと熱気は加速度を上げ続けてゆくばかり。これまでウズウズ溜め込んでいたパワーが一気に炸裂した…と言っても間違いではないだろう。それくらい凄まじいほどのエナジーが、会場中を覆い尽くしていた。その熱気を思い切り笑顔で受け止めてゆく野川さくら…そんな姿にも、彼女の太っ腹な心意気を感じてしまう。 〜『君色パレット』『Happy Merry Cherry Blossoms』〜 力強い手拍子に包まれた『君色パレット』。パープルカラーからピンクの衣装へ早替え。軽快にステップを踏みつつ『Happy Merry Cherry Blossoms』を歌いながら、しっかり熱狂的な一体感を持続し続けていく、ステージ上の野川さくら。 〜『SAKURAマジック〜しあわせになろう〜』『Hello My Love』『君のもとへ〜By Myself 〜』〜 「みんなから愛されてる曲たちを、いっぱいいっぱい詰め込みました。一緒に、目一杯楽しもうね」 途中ウルトラオレンジ色の衣装へ着替えつつ、『SAKURAマジック〜しあわせになろう〜』『Hello My Love』『君のもとへ〜By Myself〜』と続くブロックでは、心地好くもほんわかとした楽曲たちを歌いながら、温かな空気と歌声で、観客たちの心を優しく包んでゆく野川さくらがいた。 〜『卒業アルバムの無傷な夢』〜 「どの歌も大好きなんだけど、私のことを初めて知る人に、『一番好きな歌はどれですか?』と聴かれたら、間違いなくこの歌と答えます」 そう語りながら、彼女はバラード曲『卒業アルバムの無傷な夢』を優しく歌いあげてゆく。しっとり世界観へ浸りながら歌う野川さくら。頭上からは、センチな気分を彩るよう、サクラの花びらが舞い散ってゆく。。。 〜『もっっと!』『とびきり さくら組』『サイケデリック☆55』〜 クライマックスは、熱狂巻き起こす楽曲を3連発。ウルトラオレンジを筆頭に、数多くのサイリウムが派手やかに頭上を舞い躍っていた『もっっと!』。野川さくらの踊りに合わせ、会場中がモンキーダンス一色に染まった『とびきり さくら組』。オーラス『サイケデリック☆55』では、銀テープ飛び交う中、満員の観客たちが思い思いに飛び跳ね、熱狂のカルナバルな雰囲気を作りあげていた。。。。 〜『にゃんきゅ〜♪』〜 アンコールでは、野川さくらが一人で現れ、トーク。その後プロデューサーの影山ヒロノブさんを迎え入れ、影山さんの奏でるアコースティックギターの演奏に合わせ、しっとり『にゃんきゅ〜♪』を歌いあげてゆく場面が登場。このシーンは、東京公演のみのサプライズ。しかも彼女、歌いながら途中感極まった表情も、ときおり魅せていたほどだ。 〜『小さくI Love You』『遥か』〜 再びメンバー全員をステージ上へ招き入れ、熱狂炸裂ナンバー『小さくI Love You』を通し、またも会場中を熱気の渦へと巻き込んでゆく野川さくら。 オーラス『遥か』では、「一緒に歌ってください」と話しつつ歌い始めたとたん、満員の観客たちが、同じく最初から『遥か』を歌い始めてゆく。。。 さすがに冒頭から大合唱になるとは予測していなかったのか、場内中へ響き渡る大きな合唱声を耳にしてゆくうち、彼女も次第に感極まってゆき、後半ではかなり涙ぐみながら歌っていたほどだった。 一人一人がさくら組のメンバー最後の最後に、全員手を繋ぎ、飛び跳ねあったり。エンドロールが流れているにも関わらずアンコールの声が鳴りやまず、再び野川さくらがステージへ登場。生声で感謝の挨拶だったりと、2時間半以上に及んだ熱気と興奮/感動のステージが繰り広げられたこの日。舞台上で彼女も言ってた「全員がさくら組」という言葉。確かにこの会場に居た人全員で作りあげた、熱狂のコンサートだったのは間違いない。 その日の記録が、9月にLIVE DVDとして登場。それがすっごく楽しみで仕方がない。観れなかった人、ぜひ発売を心待ちにしてくれ。 そうそう、今年の暮れにも野川さくらはコンサートを開催するという。詳細は改めて発表するということなので、それも楽しみに待ってて欲しい。。。
|

てのひらのなかのルピカ[CD]