アメリカの作家・メアリー・ポープ・オズボーン氏が1992年に発表し、日本でも初版が2002年に発売して以来、大ベストセラーとなっている『マジック・ツリーハウス』。世界33ヵ国で9800万部を売り上げ、今や世界中の子供達に愛される大人気シリーズが、2012年1月7日、アニメとなって待望のスクリーンデビューを飾る。その公開に先立ち、来日中の原作者・メアリー・ポープ・オズボーンさんに『マジック・ツリーハウス』の魅力を伺った。
学ぶ喜びを分かち合うための作品作り
劇場版
『マジック・ツリーハウス』
2012年1月7日(土)より
全国ロードショー
上映時間:105分
配給:ギャガ
時空を超えて本の世界を旅するマジック・ツリーハウスを見付けた仲良し兄妹ジャックとアニー。
美しい魔法使いモーガンを救うために、4つの魔法のメダルを探して恐竜や海賊が住む様々な本の世界を冒険する、夢とスリル一杯の大ベストセラー冒険ファンタジー!
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劇場版『マジック・ツリーハウス』 |
――日本では初版から今年で9年。映画化された感想はいかがですか?
本は9年前から出ていますが、じつは4年前に来日した際にこの映画化の話が出まして。そのあと、絵コンテや脚本を見せていただいていて、いろいろな契約上の問題を解決するべく、今までの4年間で話し合ってきたんです。だから、今やっと映画が完成して嬉しく思っています。
――日本のクリエイター達と一緒にアニメ化した理由はなんですか??
それは、私が、今一緒にお仕事をしている日本の方…、出版社の人とかこのアニメを作ろうとしてくれている人達のことを人間的にとても気に入ったからです。
また、絵コンテを見せていただいた時に「この絵が、アニメになったらどんなに素敵だろう」と思ったのと、スクリプトを見て、私が伝えたかった『マジック・ツリーハウス』の精神がきちんと伝えられているなっていうことを感じたので、夫と相談した上でアニメ映画化することを決めました。日本のアニメはとても素晴らしいと思います。
――実際に仕上がった映画を見た感想はいかがですか?
とても楽しくて素晴らしい映画になっていると思います。特に、ジャックとアニーの関係は私が想い描いていた通りの関係に仕上がっていましたし、音楽も素晴らしいですよね。それと、アクションシーンも見ていて胸がドキドキしました。ジャックとアニーも、日本のとても素敵な方達にアニメ化していただけて喜んでいます。
――物語を書くにあたって、ファンタジーでありながらも、史実に基づいてストーリーを綴っているのはなぜですか?
ファンタジーは本当に楽しむためだけのものですよね。でも、私は歴史も好きですし、いろんな世界のことや知識を学ぶことが好きなので、その喜びを子供達と分かち合いたいと思ったんです。
――他に執筆される上で意識されていることはありますか?
ひとつはジャックとアニーが学びとる価値観ですね。生きる知恵とか、冒険や経験、出会う人達から学ぶ知恵、そういうことを意識して執筆しています。
互いの知恵を出し合って解決へと導く兄妹の姿
――今回の映画では取り上げられてはいませんが、過去に発売されたシリーズ(本)の中には日本を舞台に書かれたお話もありますよね。日本にはどのような思い入れはありますか?
日本が大好きです。日本の歴史や絵画が好きなんですけど、とくに江戸時代が好きで、この本のシリーズの中でもジャックとアニーに松尾芭蕉に会って俳句を作る勉強をしてもらいました。実際、私の家にも浮世絵がたくさんかかっていますし、日本についての本もたくさん持っているんですよ。
――物語の舞台になるところは、メアリーさん自身が行ってみたい場所・行ってみて興味を持った場所なんですね。
はい。行ってみたいところもありますし、行ってみたところもあります。
――その中から、今回の映画で取り上げられている4つの世界を選んだ理由はなんですか?
今回の4つの世界は、歴史に沿って続けて4巻分を取り上げたわけではないんですけど、どれも歴史に関係することなので、制作会社の方達が、子供達に歴史からいろんなものを学んでほしいという想いを持って選んだんだと思います。
――歴史を通して学ぶことや、冒険の面白さと共に、その中でジャックとアニーが成長していく姿も見所だと思います。メアリーさんから見た2人のキャラクターの魅力を教えてください。
2人は性格が全く違うんですけど、お互いに思い合っている兄妹で。何か問題に突き当たった時にも、それぞれが違う解決法を見つけつつも、最終的には2人の考えが合わさって力を発揮する…という風に私も描いています。
――メアリーさんにもご兄弟がいるそうですが、ジャックとアニーのモデルはいますか?
私には、少し年の離れた姉と、双子の兄と、1歳年下の弟がいます。でも、とくに誰かがモデルというわけではなくて、年の近い兄や弟と仲良く遊んでいた経験自体が、ジャックとアニーの関係に投影されていますね。
映画を見た後に親子で話し合ってほしい
――『マジック・ツリーハウス』は、子供向けの本でありながらも、大人が読んでも考えさせられることの多い物語ですが、本を読んだ後、あるいは映画を見た後に家族でいろいろと会話をして考えてほしいという想いはありますか?
そうですね。本は親が読み聞かせたりするので、大人が読んでも楽しめるような作品を書こうということは常に考えているんですけど、映画もやっぱり子供だけでは行かず、親が連れていくでしょうから、映画を見た後に親子でいろいろ話し合ってもらえたらなって思います。
――本を読んだ子供や家族から手紙をもらったりすることもあるでしょうね。
世界中の子供たちやその両親から手紙が来ますし、アメリカではとくに先生方からお手紙をいただきます。初めの頃はそういうお手紙の中から、子供達の意見を聞いて「次はこの場所を舞台に作品を書こう」と考えたりしていたこともあるんですよ。でも、(本を通して)48箇所も行っていますので、子供達が「行ってほしい!」っていう場所はだいたいカバーしましたね(笑)。
――今回はアニメーションということで、本が苦手な子達も『マジック・ツリーハウス』に触れてくれると思いますが、アニメをきっかけに本を好きになってほしいという想いはありますか?
そうなってほしいと思いますね。アメリカでは、アニメ化してしまうとみんなが本を読まなくなってしまう心配があったんですけど、日本の子供たちの場合は、アニメを見たらきっと本を読んでくれるだろうと確信していたということもあって、映画化に合意したんです。
それに、この作品を見ていただければ「人生において危険や困難にぶつかることもあるかもしれないけど、それに向かって一生懸命立ち向かって努力すれば、道が開けてさらに豊かな生活が待っている」ということがわかっていただけると思うので、読者のみなさんには、是非『マジック・ツリーハウス』をこれからも楽しんでいただき、映画も楽しんでいただきたいと思います。
TEXT:斉藤碧
(C)メアリー・ポープ・オズボーン/「マジック・ツリーハウス」製作委員会 |