アニメ「BLEACH」の最新エンディングテーマ『Last Moment』を歌っている、SPYAIR。「BLEACH」と楽曲の世界観が見事にリンクした『Last Moment』が、今高い話題を集めている。大きくブレイクしそうな気配も濃厚な彼らの魅力はなんだろう。
僕らはみんな「週刊少年ジャンプ」
SPYAIR
TVアニメBLEACHエンディングテーマ「Last Moment」
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−−みなさん、「BLEACH」は見てました?
KENTAさん(以下 KENTA):アニメも「週刊少年ジャンプ」両方!
IKEさん(以下 IKE):当時は「ドラゴンボール」、「スラムダンク」など、熱かったですね。
−−今でも「週刊少年ジャンプ」は読んでます?
UZさん(以下 UZ):僕は読んでます。毎週月曜日になると、習慣的にコンビニへ足が向き、「週刊少年ジャンプ」を手にしてしまいますからね。それが僕にとって、恒例の週の始まりみたいな感じなんで。
MOMIKENさん(以下 MOMIKEN):マンガが自分の生活へ当たり前に習慣づいてるのは、メンバーみんな一緒だと思います。
KENTA:そうだね。気がついたら“生活の一部”としてマンガがありますから。
−−アニメは見たりはしないんですか?
KENTA:大体マンガのほうで満足しちゃってるというか。ハマッて見たのは他には「スラムダンク」くらいかな。
UZ:俺、「けいおん!」メチャメチャ好きですよ。今でも時間があるときはたまに見てますね。
KENTA:え〜っ!?それは知らなかった!
UZ:あの、ほのぼのとしている感じが好きというか。見てると、張りつめた気持ちが一気に無くなり、落ち着けるようになるから好きなんですよ。
IKE:「けいおん!」を観ながらほのぼのしてるUZってのが、いいよね。僕もだいたいマンガですけど、「幽☆遊☆白書」は、アニメからハマッて、マンガへ遡った作品でしたね。
KENTA:俺もそうですね。「新世紀エヴァンゲリオン」も大好きだし。
IKE:他にも、実写映画化にもなった「GANTZ」は最初にマンガで夢中になり、 アニメも観てと、けっこうハマッた作品でした。
生涯君にとって 俺はどんな俺でいれるだろう
−−SPYAIRは現在、「BLEACH」のエンディングテーマ『Last Moment』を手がけています。エンディングで流れる映像と歌の内容が、みごとにシンクロしています。
MOMIKEN:あのエンディングは、僕らが作った『Last Moment』を聞いたうえで、そのイメージに合う映像を、制作者側の方たちが反映してくれたものなんです。『Last Moment』は、♪生涯君にとって 俺はどんな俺でいれるだろう♪という歌詞から楽曲が始まるんですけど、あの言葉のインスピレーションを、こういう風に広げてくれたんだと思ったら、すごく嬉しかったですね。僕らの楽曲が「BLEACH」という作品の世界観を形作る一部になれてるとしたら、こんなに嬉しいことはないと思っています。
−−前へ向かって歩いてゆく一護。そんな彼の前に、これまで物語を彩り続けたキャラクターたちが次々登場していく。そこで流れる♪生涯君にとって 俺はどんな俺でいれるだろう♪という歌詞。あの映像は、観ててグッときました。
IKE:確かにあのエンディングの映像は、観ててグッときますよね。
MOMIKEN:嬉しかったのが、「BLEACH」の世界観も、SPYAIRの持つ良さもと、両方を作品の中へしっかり活かせたことなんです。
IKE:アニメの世界観と何も関係ない歌ではなく、しっかりリンクさせてこそ、初めてお互いの良さが生まれるわけじゃないですか。僕らなりの良さを出したうえで、作品の世界観ともハマる面があって、それによってお互いがまた違った見え方をしていきます。それって、素敵なことだなと思います。
−−『Last Moment』は、SPYAIRの良さを活かしてるのはもちろん、「BLEACH」の世界観ともしっかりリンクしていますもんね。
MOMIKEN:そこはメチャクチャ意識しました。「BLEACH」の世界観だけになりすぎず、かと言って、「BLEACH」の世界観も出したかったからこそ、「自分たちらしい言葉を選びながら」など、そこのバランスはすごく考えて作りました。
−−♪生涯君にとって 俺はどんな俺でいれるだろう♪という歌から始まるあのインパクトは、脳天をガツンと殴られたくらい、嬉しい衝撃的な言葉のパンチを受けた気分でした。
MOMIKEN:インパクトは狙いました。SPYAIRの場合、割と決論的な言葉をサビ頭にド〜ンと伝えてゆくスタイルが“らしい”と言いますか。何故そうするかと言うと、「結論があったうえで、その後の歌詞を捉えたほうがわかりやすいし、伝わりやすい」からなんです。いろいろ蘊蓄を言われた最後に「がんばれ」と言われても、僕は「なんだそれ?」となってしまうんです。だから、そうしています。
−−IKEさんは、MOMIKENさんの綴った想いを受け止めながら歌ってくわけですよね。
IKE:じつは『Last Moment』のデモ音源が最初に上がったときって、もっと軽い、ダンスチューン的な印象覚える楽曲だったんですよ。だけど「『Last Moment』を「BLEACH」のエンディングテーマに使う」という話が出たときに、MOMIKENが「もっと「BLEACH」の世界観とリンクしたい」と言い出し、歌詞を書き直しました。その後に完成した歌詞を読んだとき、最初に出てきたのが♪生涯君にとって 俺はどんな俺でいれるだろう♪という、いきなり激しい感情をぶつけてゆく言葉だった。そこから、楽曲もヘヴィなスタイルへアレンジ。スタッフ陣からは、「この歌詞は重すぎるんじゃないか?」という意見もあったんですけど、「俺が歌うんだったら絶対に大丈夫」「俺は、ぜひこの想いを唄いたい」という気持ちもあったし、何よりも、本当にSPYAIRらしさを持った楽曲になったからこそ、「これでいきたい」と言いました。
「BLEACH」エンディング×Music Clip
−−『Last Moment』は、詰め込んだ言葉のインパクトも強烈ですが、同時に、感情の起伏を導くようドラマティックに展開描き出す楽曲の世界観も、胸沸き上がらせる感動や興奮を与えてくれます。
UZ:演奏していくにつれ、気持ちがどんどん入り込んでゆく楽曲ほど、自然にドラマチックな展開を中に描いてしまいます。『Last Moment』はとくに、作曲した俺自身が、楽曲の持つ大きなウネリに気持ちがどんどんのめり込み、結果的にドラマチックな世界観を生み出した作品。それくらい、自分の気持ちがすごく入った曲になりました。
−−MOMIKENさんが歌詞を書く場合、UZさんの意識を受け止めつつ書くことも多いのですか?
MOMIKEN:そういう想いを受け止めるときもあるけど、基本的には、自分なりに感じた気持ちをぶつけています。ただ、2ndシングルの4曲目に収録した『Just like this』に関しては、UZから楽曲が上がってきた時点で、「野外フェスで演奏したときに似合う歌詞にして欲しい」という要望がありました。僕らは、ずっとストリート・ライブで実力を磨き続けてきたように、野外という場所が、大きな活動の拠点になっています。そこから、「野外ライブという自分たちらしい場所で、自分たちのファンを前にして伝えたい想いは何だろう?」ということを考えながら、『Just like this』の歌詞を書きました。
−−『Last Moment』の歌詞に関しては、どうだったんですか?
MOMIKEN:とくにUZからの意見はなかったです。さっきIKEも言っていたように、最初は、楽曲が持っていた明るくポップな部分を活かした歌詞にしていたんですけど、「BLEACH」のタイアップ話が舞い込んだとき、「俺なら「BLEACH」に対してこう伝えたい」という想いが強くあったからこそ、その感情をぶつけていきました。
IKE:面白いのが、「BLEACH」のエンディングで流れる映像を見ながら『Last Moment』を聴くのと、Music Clipを通して『Last Moment』を聴くのとでは、また受け止め方が変わっていく点ですね。できれば、その違いも味わってもらえたらなと思っています。
俺ってどんな人間になれるんだろう?の真意とは
−−2ndシングルに収録した4曲とも、“今のSPYAIRらしさ”を描き出した楽曲たちばかりなのでしょうか?
UZ:SPYAIRらしい楽曲たちと言うか、「今の時期だからこそ出したい楽曲を詰め込んだ」という意識は持っています。『Just like this』は、「アルバムに入れようか」という声もメンバー内から出ていたけど、でも、やっぱり「この時期に入れたかった」曲だったし、2曲目に収録した『哀より愛し(re-mastering)』は、1年ちょっと前にインディーズ盤として出した『感情ディスコード』に収録していた楽曲なんですけど、この時期にもう1回形にして残しておきたかったからこそ、収録を決めた楽曲でした。
−−でも何故今、『哀より愛し(re-mastering)』を持ってきたんですか?
UZ:この曲を作ったのはもう2年前のことです。今の自分では作らないような楽曲でありながら、でも、SPYAIRにとっては大切な歌でもあるんです。もちろん、過去の自分たちに自信があるし、誇りに思っているからこそ、「こういう表情も俺らの中にはあるんだ」ということを伝えたくて、今回リマスタリングしたうえで収録をしました。
−−収録したどの曲にも共通しているのが、自分の感情をリアルに切り刻んだ言葉たちが詰め込まれていることですね。
MOMIKEN:自分らの場合、正直「空が、海が、風が」などの表現よりも、「自分の心に触れられる感情」や「自分が考えている想い」をリアルに書き記すようにしています。
−−『ノンフィクション』じゃないけど、自分のリアルな“心の内側の感情”を投影してこそ、歌にも説得力が出るってことですね。
MOMIKEN:あまり大きな視点で歌詞を書きたくはないんです。『Last Moment』に綴った♪生涯君にとって 俺はどんな俺でいれるだろう?♪という一見大きく見える歌詞だって、「俺ってどんな人間になれるんだろう?」という、誰もが当たり前に考えていることを歌にしているだけのことなんですよ。『Last Moment』に関しては、誰もが普通に考えてることを大袈裟な表現に置き換えただけです。自分はもちろん、聴く人たちだって、自分の感情に置き換えられないようなことを歌われても、共感なんかできません。でも僕らは、“SPYAIRに触れてくれる人たちに共感してもらいたい”からこそ、その視点を大切にしているんです。『Just like this』は、俺らとSPYAIRを応援し続けてくれてるファンたちとの関係性を歌った楽曲です。とくに、ファンの人たちに聴いてもらいたくて作ったという背景もありました。
IKE:じつは僕自身が、リスナーと同じ立場でMOMIKENの歌詞を受け止めながら歌ってるんですよ。
−−えっ、それはどういうことですか?
IKE:MOMIKENから上がってきた歌詞に対して、「これはどういう想い?」と聴くことはなく、僕自身が、楽曲や歌詞から受け止めた感情を、自分なりに解釈した想いとして唄いかけてゆくんです。それが、SPYAIRで表現していくうえでのスタイルなんですよ。
ステージ上ではなく客席で
−−ENZEL☆さんは、完成した2ndシングル盤に対し、どんな感想を抱いてますか?
ENZEL☆さん(以下 ENZEL☆):作品を作りあげるたびに、「あっ、またこんな表情を持ってきたんだ」など、次々新しいSPYAIRの世界観が広がってゆくのが楽しいし、楽しみでもあるんです。とくに自分の場合、メンバーでありながらも、どこかリスナー的な感覚で歌詞を受け止めてることも多いんですね。中でも『Just like this』は、本音を言えば、僕はステージ上よりも、客席側で、この気持ちを受け止めたい気分だったりもします。
KENTA:この曲を作ったばかりの頃って、ENZEL☆は身近でSPYAIRの手伝いをしてくれていたんですが、まだ正式メンバーになるかならないかという時期だったんですよ。だから彼は、メンバー側/ファン側両方の気持ちで、この曲を受け止められるんだと思います。
ENZEL☆:そう。ちょうどメンバーになる直前に生まれた曲だったから。
KENTA:一緒に野外ライブの準備とかしてたもんね。
ENZEL☆:だから、なおさら俺は客席でこの歌を聴きたい(笑)。しかも、アリーナ席のぜんぜん後ろのほうで、見ず知らずの奴と肩を組みながら「ウォ〜ッ!!」って言ってたい(笑)。
IKE:この曲が始まったら、ENZEL☆は客席に降りてって、そういう風に盛り上げれば(笑)。彼のSPYAIRでの役割の一つが、ライブでの盛り上げ役。だから、それもありだと思うよ。
−−ENZEL☆さんは、『Last Moment』に対して、どんな想いを抱いてます?
ENZEL☆:じつは俺、さっき言えなかったんですけど、アニメから「BLEACH」にハマり、その後に単行本を全巻揃え始めたのでアニメ派なんですよ。みんなが「マンガから」と言うから、なんか言いづらくって(笑)。
KENTA:えっ、そうなの?そんなこと、別に遠慮しなくっていいじゃん(笑)。
ENZEL☆:『Last Moment』も『Just like this』も、「でっかいステージで歌うのが似合う楽曲だなぁ」と、俺は感じてます。
幻の一枚になる?!
−−『Last Moment』や『Just like this』を、大きな舞台で聴いたら気持ち良さそうですよね。
UZ:じつは俺らの夢や目標の一つが、「野外のおっきいステージでライブを演ること」なんです。
KENTA:同じ野外でも、通常のイベントではなくワンマンか、自分たち主催のフェスとかをね。
IKE:僕ら、野外ライブを通し育ってきたバンドだし、『Just like this』という楽曲は、“野外ライブ活動を通しSPYAIRのことを応援し続けてくれたファンたちのために作った歌”だったので、あえてこの曲に関しては、僕らの野外ワンマン・ライブか野外主催イベントなど、「僕ら主体の野外ライブのみで演奏する曲」という縛りを設けてるんですよ。自分たちで大きな縛りを作ってしまったがため、SPYAIRの活動の中、何回演奏できるのか、正直自分たちでもわからないんです。でも、「この曲を自分たちの野外ワンマンや主催フェスティバルで演奏したいからこそ、そのためにがんばる」という気持ちの原動力にも今は変えられているので、早く『Just like this』を、みんなの前で演れるようになりたいです。
−−『Just like this』とか、シングルにしても可笑しくないくらい“強烈に胸打つ感動ナンバー”だと思います。
KENTA:むしろ、この曲に対する思い入れが強すぎるあまり、自分たち自身、シングルにするには気持ちの重圧が強すぎました。なので、今回のようにシングルの最後の曲として収録したわけなんです。
UZ:印象の強い楽曲であれば、たとえシングルのC/Wだとしても絶対に残り続けていくと思うんですね。それこそが“曲の持つ強さ”だと思っているからこそ、そうしました。
KENTA:いつかSPYAIRが、おっきな会場で演れるようになり、『Just like this』を堂々とたくさんのファンたちの前で演奏していけるようになったとき、「あれっ、あの曲は何処にあるんだ?」と探して欲しいですね。だから今、手にしておかないと、2ndシングル盤自体が、後に幻の一枚になってしまう可能性だってあるんで(笑)。
−−シングル盤も好調だし、12月3日に演った東京ワンマンライブだって早々SOLD OUTしてましたからね。今のSPYAIR、かなり良い上昇の波にノッているんじゃないですか?
KENTA:僕ら、いつも最悪の状況も考えたうえで行動してると言いますか。意外と石橋を叩いて渡ってるし、そうしていきたいバンドなんですよ。ましてSPYAIRとして目標にしていることが、現状ではとても大きいです。だからこそ、そうなるための磐石な土台を築くためにも、何度だって石橋を叩きながら進んでいこうと思っています。
UZ:と同時に、来年は、もっともっと攻めてもいきますから!
TEXT:長澤智典
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