
演技派女優・小林聡美が、一人全役に初挑戦!人気ブログランキング・イラスト部門 ぶっちぎりの1位、エンターブレイン原作「くるねこ」がアニメ化に!監督を務める大地丙太郎さんにお話を伺いました!
実は猫が嫌いだった!?「くるねこ」大地丙太郎監督インタビュー
――今回、大地監督が「くるねこ」の監督をすることになった経緯から教えて下さい。
「パイロット版を作って下さい」という依頼があったんです。でも最初はお断りしちゃいました。猫が嫌いで……。猫だけじゃなくて動物が嫌いなんですよね。動物を「可愛い」とかいうアニメとか番組が嫌いで。人間の方が面白いじゃないですか。動物よりも前に人間を愛せよって思うんですよね。そんな男ですから「猫の漫画」は演出出来ないだろうと思って。でも、そんなお断りの話をしている最中にふと、この作品を面白くする演出プランが浮かんじゃったんですね。そこんところはさすがにプロですよねオレ。「これはイケるな」とは思ったんですが、一度家族に相談したいと。わが家も猫を2匹飼ってはいるんですが、そういうわけでいっさい大地は世話をしてませんのでね。「あんたが猫のアニメなんてできるわけないでしょ」って言われたらお断りするつもりでした。そしたら「どんな仕事でも依頼が来たらやりなさい。自分が苦手なものでも、それを面白くするのが監督の仕事でしょ」と。で、やりました。そして出来ました傑作が。そのパイロット版を見てくださったプロデューサーさんが「これは面白い」と言って下さって「何とか形にしましょうよ」とおっしゃってくれて。で、今回の運びになったわけです。ありがたいことです。
――この原作を読んでどう思われましたか?
ハナから「猫、可愛い〜」っていう漫画だろうと思って、拒否反応はありました。でも、読んだら、猫可愛かったです(笑)
――制作はどのくらい進んでいるんですか?
演出的準備は万端です。あとは小林聡美さんの収録のみです。
――今回、小林聡美さんが声を担当。小林さんを選んだ理由はなんだったのですか?
理由は?と、よく聞かれるんですが、こういうものに確固たる理由なんてないんですよね。スタッフ全員の勘が小林さんに合ったんです。小林さんだったら絶対上手く行くみたいな確信だったり。小林さんの事務所とお話をさせて頂いた機会に、作品を作ることの基本的な考え方で、意気投合したんです。それで、その場で「やりましょう」と言ってくださいました。その場で小林さんに決まったんです。
――小林さんに抱いているイメージを教えてください
むしろイヌでした(笑)
――どんな作品に仕上げようと思っていますか?
原作がある場合は“原作をまんまやる”っていうのが大地の基本のスタンスなんです。やっていくうちに、アニメオリジナルの手法が育ってくると思いますね。最初はどれだけ原作に忠実に映像化出来るかということです。ですからシナリオも作りません。漫画を読むんです。今回は小林さんに声優というイメージより、漫画を朗読する感じでやってもらおうかなと思っています。もう「ガチャン・スタスタ」とか、擬音も全部言ってもらおうと思ってます。朗読の会とかで小説を読んでるあの感じで「くるねこ」を読んでもらうんです。だから、最初から全役やってもらおうと思ってました。この作品、これが一番の演出プランです。他に考えられません。小林さんも、そこを楽しんでもらえると嬉しいですね。たくさん出てくる猫たちを、しかも成長して行く猫たちを、小林さんがたったひとりで演ずるなんて、面白いじゃないですか。どきどきするじゃないですか。どんな風になるのか今から楽しみです。
――作品的には何分になるんですか?
全フォーマットで2分です。短いです。生活の句読点的アニメですよね。「世界の車窓から」のアニメ版のイメージです。
――ここまで短い作品は監督としても初めてじゃないですか?
ずいぶん短いものをやって来ましたが、初めてですね。でも、以前から「世界の車窓から」に憧れていたんです。「いつかあぁいう枠でやりたい」って思っていたのです。夢が叶ったようなもので(笑)。本当は「ギャグマンガ日和」も、そういう枠でやりたかったんですよね。番組を見終わってほっと一息してたら、「何が急に始まったの!? あれ、面白いじゃないこれ」って思ってもらえるような感じのものを前からやりたかったんです。
――何気に見ちゃいますよね。
前の番組の続きで見ちゃうのと、次の番組の前ノリで見ちゃうっていうことですよね。でもそこから「あの番組面白い」って広がっていけば良いですね。
――「くるねこ」はすごくヒットしてる作品ですが、監督的にウケていると感じるところはどこですか?
この手の漫画はあまり読まないので、他のネコ漫画とどう違うかは分からないんですが、「くるねこ」はネコちゃんが可愛いだけでなく、彼らの生活の日記でもあるし、エッセイでもあると思うんですね。そして、割と深いドラマや心情が描かれているんですよね。そこら辺が正味たったの1分半くらいの尺で、どのくらい表現出来るかというのは、チャレンジですよね。ドキドキしますよね。「どたんばのマナー」みたいなHOW TOものとは違いますもんね(笑)。でもチャレンジ部分があるからこそ楽しんで出来ますよ。
――作品にかかわるようになって猫に対する見え方は変わりましたか?
僕って結構自分の作品に影響されるタイプなんですよ。早くも自分家のネコを可愛がってます。キャットウォーク作ってあげようかな〜なんて言ったら、家族に「どうしたのお父さん急に!?」なんて言われました。原作って、猫の心の声が出て来ますよね。作者=飼い主が「たぶんこう言ってるんだろうな」という想像でセリフを充ててると思うんですが、あれはさすがのセンスですねえ。猫と同一化してる感覚がこの原作者にはあると思うんです。でも、僕はあくまでも読者から入るので、その温度差をシリーズを作りつつ縮めていければと思っています。僕がイメージしてた最初の「ねこまんが」のイメージから大きく変わってきましたね、ははは。
――終わる頃には猫マニアになってそうですね
ネコがもう1匹は増えてる予感はします(笑)。今回、10年以上お付き合いのある作画の遊佐、大島さんご夫妻も「うちもネコ飼った方が良いんじゃないか」って早速買いに行ったらしく、ロシアンブルーがいましたね。もう、めちゃめちゃ可愛くて、打ち合わせそっちのけで遊んだりしてました。かなりもう猫に没頭していますよ僕ら(笑)。今から「猫がいてぎゅっと幸せ」な現場になりそうな予感がしています。
――ご自宅のネコちゃんが「こうしゃべってるんだろうな」っていうのは分かりますか?
それはまだ降りてこないです(笑)。全然降りてこないです。さすがはにわか猫好きです。でも、自然に話しかけるようになりましたね。家族には「お父さんがネコにしゃべりかけてる」ってニュースにされてますけどね(笑)。
――原作者のくるねこ大和さんとはお会いしましたか?
一度だけすれ違いな感じで。実はこれから行われるはじめての小林さんとの収録にはそれなりに緊張してまして、あまりその前にお会いして、話すことが出来ませんで……。小心者なんですよ。1〜2本作って作品の方向が自分でも見えてきて、自信ができてからじっくりお会いする方が良いと思っています。すいません。
――1本目の完成はいつごろになりそうですか?
放送ギリギリになると思います。すいません。
――今回の作品もプレスコ(※1)で作られると聞きました
そうですね。「ギャグ日」あたりからプレスコ撮りです。最近4〜5本ショートの仕事が来ていて、全部プレスコです。「たまにはアフレコやりたいね」って話してるんですけど(笑)。やっぱり、ショートはプレスコが似合う気がしてます。
――主題歌はあるんですか?
もちろん。これまた力入れて作ってますよ。かなりびっくりすると思いますし、僕自身かなり自信がありますよ。
――ネコちゃんをモチーフに作っていっているんですか?
もちろん原作を読んだイメージで作ってるんですけど、「ネコちゃんニャー」っていう曲じゃない(笑)、なかなかお洒落な感じになってますね。
――最後に意気込みと見所をお願いします!
意気込みというより、期待がかなりあるんですね。今回は2分という尺も含めて、チャレンジな部分も多く、オンエアも隙間的時間帯なので、ごく自然に、気楽に見てもらえるように心がけていくつもりです。スタッフもなるべく少人数で作ろうと思っています。今回は、ほぼ一人で演出・指示をしようと思っています。僕とアニメーターと小林さんの3人でこしらえていくイメージですね。その3人が面白い化学反応を起こすんじゃないかと期待しています。今までのハイテンションなものとも違う、「おじゃる丸」のまったりとも違う、新しい空気の作品にしたいです。見る方は、肩に力を入れないで、お茶の間でゆっくりお茶を飲みながら、ネコのいる人は見た後でネコをなでたくなるような作品になればと思います。感じてほしいアニメですね。
――枠的にもスッて入ってきそうですよね。
猫のように、スキマをするりと通り抜けるのが上手いアニメになったりして。
※1―《prescoringから》映画・テレビで、先にせりふ・歌・音楽などを録音しておき、これに口や演技を合わせて撮影すること。
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