エキサイトアニメ独占インタビュー
現在、秋元康氏が総合プロデューサーを務めるアイドルグループ『AKB48』が、秋葉原「AKB48劇場(シアター)」にて日々行っているライブの模様を、動画配信ポータルサイト『NETCINEMA.TV』(www.netcinema.tv)にて、その日のうちにインターネットで配信中。開設した初日には、予想を越えるアクセスが集中し、サーバーが一時ダウンしてしまったくらい。それほどまでに大きな盛り上がりを見せている「ネット配信」についての話題を中心に、最新シングル『大声ダイヤモンド』の話も織りまぜながら、秋元康総合プロデューサーと、AKB48チームKのメンバーとして活動中の河西智美と宮澤佐江を迎え、お話を伺った。
ネット配信で「毎日会いに行けるアイドル」というコンセプトを体現
−−AKB48を結成し、秋葉原の専用劇場「AKB48劇場(シアター)」で公演をスタートしたときから、ネット配信は構想の中にあったことだったのでしょうか?
秋元康氏(以下 秋元):最初からネット配信したいと思っていました。狭い劇場ということもあり、カメラ位置の問題など、配信していくうえで諸々の調整をし、環境作りにはある程度の時間を要することはわかっていました。徐々に環境を整えつつ、ようやく、10月1日よりスタートさせることができました。
−−連日数多くの人たちが「AKB48劇場(シアター)」に来場するよう、けっこうチケットの争奪戦も繰り広げられてますからね。
秋元:狭い劇場なので、抽選の倍率は高くなっています。例えば10月に行なったチームAの公演の千秋楽は、250人の会場にも関わらず、8000人以上からの応募が殺到したほどです。そこまでいってしまうと、チケットを取るのにもプレミアム的な価値が付いてしまう。もともと、「毎日会いに行けるアイドル」というコンセプトのもとAKB48を誕生させました。いずれそうなっていくことも予測していたので、ネット環境を整える準備をしていました。そして、10月からネット配信を通してですが、「毎日会いに行けるアイドル」というコンセプトを体現できるようになった、と思っています。
−−ネット配信業務はまだまだ始まったばかり。今後に向けても、いろんな環境整備を行っているそうですね。
秋元:以前から海外でも高い注目を浴びているので、年内中に環境を整えることを目標に、現在、英語・中国語・韓国語などにトランスレートし、海外の人たちでも楽しめるように準備しているところです。
−−海外でも、それくらい大きな注目を集めていると。
秋元:昨年招聘を受け、中国の北京で公演を行いました。こちらの予想を超えるすごい数の人たちが来てくれて、その時に「どこでAKB48のことを知ったんですか?」と尋ねたら、みんなが「ネットを通して、動向を観てる」と言うわけです。足を運んだ時点でもすでに、AKB48の衣装や楽曲を真似て歌ってる人たちが少なからずいたくらいでしたからね。
宮澤佐江ちゃん(以下 宮澤):わたしたち自身が最初は憧れの方を真似する立場から始まったわけですけど、それが今じゃ真似される立場になっている。それって、すごく嬉しいことですよね。
秋元:AKB48って、ある種の“ネットアイドル”なんですよね。AKB48以前からネットアイドルは実在してましたし、ネットを通し人気投票を呼びかけたりなど、いろんなことをやっていました。AKB48は、あくまでも「AKB48劇場(シアター)」を舞台に情報を発信していくことを主眼に置いてきました。けれど、その場に足を運ぶからこそわかるレアな情報なども連日出てくるので、そのステージを観たお客さんたちが、そのままネットカフェに足を運び、「今日はこんな発表があった」「誰それがこんな発言をして盛り上がった」「誰々の卒業が決まった」など、口コミならぬネットコミな発信を自主的にしてくれるわけです。その勢いや、そこから広がっていくパワーが、他のネットアイドルたちがやっている規模を遥かに凌駕していったというか。AKB48は、「AKB48劇場(シアター)」公演という最もアナログな手法と、ネットでの情報配信という現代の新しいリアルな手段とが上手く融合しあっていきました。だから面白いんです。
−−ひとつのグループが毎日ネット配信している環境というのも、事実“初めて”のことですし。
秋元:毎日公演をやっているアイドル・グループも初めてですからね。その成長過程がネットで毎日観察できるわけです。
「アイドルだから」という縛りがAKB48には一切ないんです。
−−ネット配信が始まったことによって、リアルに彼女たちの存在感はもちろん、AKB48とはどういう存在なのかをしっかりアピールしていける場が出来たのは、とても嬉しい環境だなと捉えています。
秋元:いまだに「AKB48って萌え系?!」と思われたりするんですけど、これを期に、AKB48をよく分かって頂けますよね。実際「AKB48劇場(シアター)」に足を運んでくれた人たちの90%以上はファンになり、リピーターとして劇場へ帰ってきてくれます。だからこそ、足を運びたくても足を運べない人たちのためにネット配信を通し、より多くの人たちに、彼女たちの生の姿を観せたいんです。
宮澤:さっきも8000人以上の人たちが応募してくれたというお話を聞いて、すごく嬉しい驚きを感じてたんですけど、それだけAKB48のことを気にしてくださる人たちが多いことを知れただけでも嬉しかったし、こうやってネットで観れる環境が整ったことで、もっともっとたくさんの人たちに、AKB48の良さを伝えていける状況を得られたのは、すっごく嬉しいことなんです。
秋元:地方の人たちはもちろん、いくら関東近郊や都内に住んでいたとしても、実際に足を運ぶという行為には、いろんなハードルが出てくるのも事実。だからこそ、うまくネット配信を利用していただければ嬉しいと思います。まずはネットを通して観て頂き、そこで何かしら心動かされたら、今度は実際に劇場で、生で観るからこその感動を味わっていただきたい。確かに250人とキャパシティ的にも限界はありますから、ときにはチケットの争奪戦になることもありますけど、両方を楽しんでいただきたいですね。
−−やはり、足を運んでこそ…という面があるわけですよね。
秋元:劇場でリアルに観て感じる楽しさの一つが、彼女たちのトークなんです。たとえ決められたメニューであったとしても、彼女たちはどんどんアドリブトークもしていきますし。またスタッフ陣も、つねにいろいろサプライズを巻き起こす環境も作りあげていますからね。興奮のあまり靴を履かないでステージに上がっちゃった子や、興奮して客席へ飛び下りた子もいれば、いきなりスカートが落ちてしまったなんて子もいたり(笑)。そういう偶然的なハプニングも数多くあったり、たとえば、バレンタインデーの日に、みんなで『バレンタイン・キッス』を唄おうと、その日だけのサプライズ・ショーとして「バレンタイン企画」を実施。それだけでも特別な日なのに、さらに、メンバーには内緒で国生さゆりを呼び、一緒に歌ってもらったり。それはほんの一例で、スタッフ陣も、いつも「どんなサプライズを作り上げられるか」というのを考えながら企画実践しているので、その面白さも楽しんでいただきたいんです。
−−最新シングル『大声ダイヤモンド』のPVでも、喧嘩シーンを演じる2人に異なる台本を提示。一人には怒って相手を叩く場面を。もう一人には怒られるけど、叩かれるなんて書いてない台本を提示。そこで起きるハプニングを楽しみながら映像にしていく、なんてこともやってたくらいですからね。
宮澤:そういうハプニング的なサプライズって、いろんな活動の中に用意されているんです。最初の頃は、どう対応して良いのか戸惑いもありましたけど、今じゃメンバーの誰もが、そのサプライズや、ときに起きる失敗さえも、「どう活かそうか」と前向きに捉えていくようになりました。
河西智美ちゃん(以下 河西):いつもなら、大堀恵ちゃんに対して「お姉さま〜」と呼びながら絡んでいくシーンでも、いきなり「めしべさま〜」とアドリブを交えながら、2人で話を脱線させていったり。そういうことをやると、またファンの人たちが嬉しそうに盛り上がってくれるから、わたしたちもいろいろ新しいチャレンジを考えてしまうんです。
秋元:「アイドルだから、こういうことはしない」という縛りが、このAKB48には一切ないんですよ。足を捻挫してしまった子が出たときのこと。さすがにステージで踊ることは出来ない。そこで、「○○さんは本日怪我のため休演になります」と告げてしまうことは容易だったんですけど、本人に「お客さんたちへ自ら伝えたい」意志もあり、1曲だけとはいえ、歌だけ唄い、怪我をしている理由を告げて、その日は早めに舞台を降りて治療に専念したということもありました。そうやって、怪我のようなマイナスな面さえもステージへ出して見せていくと、さらにファンの子たちが身近に彼女たちの気持ちを受け止めてくれるんです。もちろん、本当に体調が悪いときには休ませますけど。そういう面さえも魅力にしてしまうのも、毎日公演をやっているからこその強みなんだと思います。
河西智美がマカオでバンジージャンプ!!
−−今は、劇場公演を軸に放送していますが、今後はいろんな企画物もネット配信を通し、実践していかれるのでしょうか?
秋元:今は「AKB48劇場(シアター)」の公演を軸に配信していますけど、そこから派生した形で、さまざまな企画を形にしていこうと計画中です。じつはこれまでにも、「悪魔の握手会」など、いわゆる結婚式の二次会で身内向けに流すような内輪受けの映像をいろいろ作ってきたんですけど、そういう作品をこれから作って流すのも面白いと思ってます。メンバーによっては、映画やドラマへの出演オファーも増えてきています。なので、いろんな表現の幅を広げていきたい子たちも多いです。ならば、まずネット配信を通し、ネットシネマを制作し、その反響が良ければ、ドラマや映画へと企画を広げていくのも一つの方法かなと考えています。もっと言うなら、今日話を聞いていて、河西智美と宮澤佐江の掛け合いが楽しかったから、2人が毎回ゲストを招き、そこでトークしていく番組を作ったら面白いと思いました。こんなふうに、いろんな発想を広げていける発信基地になっていくのは、間違いないです。
−−2人とも、何かやってみたいことってある?
河西:一人じゃ出来ないことやプライベートでは出来ないこと、企画だからこそできることなどをやってみたいです。
秋元:マカオにすっごい高い建物からバンジージャンプできる場があるんだけど、それやってみる?
河西:それ楽しそう!ちゃんと安全になってるんだったら、やりたいですっ!!
秋元:そりゃあ、安全になってるよ(笑)。
宮澤:わたしは絶対に無理!
秋元:佐江は、体力に自信があるんだろ。
宮澤:はい。マラソンとかですか?
秋元:いいね。「宮澤佐江の42.195kmに挑戦」と「河西智美のマカオでバンジージャンプ」は実現できるように動こうか(笑)。どうせなら、メンバー一人一人のチャレンジ・コーナーを作ってみたりとか。
宮澤・河西:マジでやるんですか!?
秋元:もちろん!このインタビューが証拠だから(笑)。
♪大好きだ〜♪の歌詞が気持ち励まされる感じになっていくのが嬉しいんです。
−−10月22日に最新シングル『大声ダイヤモンド』が発売になりました。
河西:『大声ダイヤモンド』は、とっても親しみやすい曲調だし、サビもすっごく覚えやすい歌なんです。とくに、ストレートな想いのままに伝えようとしている♪大好きだ〜♪の歌詞を何度も連呼しながら唄ってくと、気持ち励まされる感じになっていくのが嬉しいんです。
宮澤:今って、気持ちをストレートに伝えるのが苦手な人たちが多いんですね。それは「大好き」という想いはもちろん、「ごめんなさい」や「ありがとう」という言葉にしても、そう。『大声ダイヤモンド』は歌詞がすっごいストレートだから、わたし自身の気持ちもそうだし。きっと、聴いてくれる人たちの背中も押してあげられるような楽曲になったと思います。
河西:ホント、唄ってて気持ちが生き生きしてくるもんね。
わたしたちに起きる事を目の前で体感するために来る!?
−−最後に、あらためてネット番組が始まったことに対しての思いを、ひと言ずついただけますか?
宮澤:「AKB48劇場(シアター)」って、たとえ同じメニューだとしても、毎日やっているので、日々しゃべる内容も違えば、いろんなサプライズだって起きていくんです。劇場へ足を運んでくれる人たちの中にも、そのハプニングやサプライズを目の前で体感したくて足を運んでくださる方々もいるよう、それをネット放送を通し、体感してもらえたらなと思っています。
河西:「AKB48劇場(シアター)」でのステージって、ファンの人たちとの距離がすっごく近いんですね。だから、毎回メンバーが汗だくになって唄い踊ってる姿をリアルに感じられるのはもちろん、きっと前の席の人たちは、わたしたちの飛び散る汗も浴びてるんじゃないかと思うんです。実際1ステージ終えると、床がビショビショですからね。それくらい汗飛び散る「青春だな」という風景を、間近に観てもらたいたいですし、劇場まで足を運べない人たちにも同じく、その汗さえもカメラを通し映ってしまうくらいの「青春な風景」を楽しんでいただきたいなと思っています。あと、メンバーみんな、よく髪型なども変えているので、そういう日々の変化もぜひチェックしてください。
秋元:毎日パソコンを通しステージを観ているだけでも、「今日の智美はこうだった」「今日の佐江はいつもと比べて」など、個々の変化などもつねに共有していけるわけです。
AKB48の面白さって、何があっても「AKB48劇場(シアター)」で毎日かならず公演が行われていること。そうやって、メンバーも舞台も、つねに生きている姿を伝え続けているんです。まさにAKB48の活動の中核としてある「AKB48劇場(シアター)」での配信が、ついにスタートを切りました。その発信地であるネット放送をまた新しいホームグラウンドとし、ここから河西のバンジージャンプへの挑戦だったりなど、さまざまな企画を発信し続けていこうと思っているので、期待しながら観続けてください。
TEXT:長澤智典
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