エキサイトアニメ独占インタビュー

アニメ「あまつき」のエンディングテーマ『名まえのない道』が絶好調。5枚目のシングル作にして、ついに大きな風が吹き始めた引田香織。兄弟携帯サイト「熱烈!アニソン魂」では、彼女の着うたも多数配信中。過去のライブラリーも含め、引田香織の“歌に懸ける想い”をあれこれと伺いました。

1st作『みちゆき』は、アニメ「LOVELESS」のエンディング主題歌!

●5thシングル『名まえのない道』

引田香織
NOW ON SALE
価格:\1,050(税込)
フロンティアワークス
FCCM-0229


1.名まえのない道
2.名まえのない道 - unplugged version
3.名まえのない道 - instrumental

■引田香織ページ(フロンティアワークス内)

−−香織さんの“ここまでの歩み”を、まずは振り返りたいと思います。最初にリリースした作品が、アニメ「LOVELESS」のエンディング主題歌として流れていた『みちゆき』でした。

当時はまだ北九州の実家に住みながら、地元の大学に通っていました。デビュー曲って、最初にみなさんへ深く印象を付けてゆくものじゃないですか。それまでのわたしが好んで歌っていたのが、明るく元気な楽曲でした。でも『みちゆき』を通し提示されたのは、“深くて重たい感情”。あの当時は、自分の中にある“深くて重たい感情”を必死に探しながら、「自分の人格が変わってしまうんじゃないか?!」と思えるくらいの感情のもと、この曲を歌っていましたし、自分にとっても、衝撃的でありながら、大切な出会いを作ることになった楽曲になりました。

−−あの幻想的な表情は、香織さんの中では“みずからの中の意外性”を導き出した感情だったんですね。

そうなんです。『みちゆき』は、それまでの自分の中にはなかった意外性を持った楽曲のスタートであり、わたしの中にある“大人の部分”を導き出していくきっかけにもなった作品でした。

2nd作『笑顔の訳』は、アニメ「少年陰陽師」のオープニング主題歌!

−−2作目となるのが、アニメ「少年陰陽師」のオープニング主題歌『笑顔の訳』でした。

前作が壮大なバラード系の楽曲だったのに対し、今回は疾走感があると言いますか、“生きる鼓動爆発!”みたいな感じの、感情のすべてをぶつけながら唄う楽曲だったので、これもまたけっこう大きなチャレンジでした。
レコーディングのときには、プロデューサーの方に「まだ、ぜんぜん感情がぶつかってないよ」「もっと自分の気持ちをぶつけていいんだから」などいろんなアドバイスを受けながら録っていたよう、新しい刺激を感じながら歌入れしていた思い出もあります。

−−楽曲ごとにいろいろな表情を求められるのも、こういう仕事の醍醐味ですからね。

そうなんですよね。アニメ作品のテーマ曲を唄う場合、その作品に寄り添った世界観を持った曲調で作りあげてゆくよう、いろいろなスタイルの歌があるわけじゃないですか。そういう楽曲を唄うわたしたち歌い手側もまた、唄うたびに新しい出会いを繰り返していける喜びがあるんです。でもまだ当時は、そこまでの意識へ到達していなかったのもあるのか、「本当の自分らしさって何だろう?」と、どこか試行錯誤したり、悩みを覚えながら臨んでいた意識もありました。まぁ今振り返ると、すごく勉強させていただいていた時期でもあったんですけどね。

3rd作『願い』は、OVA「テイルズ オブ シンフォニア THE ANIMATION」のエンディング主題歌!

−−そして3枚目となるのが、河井英里さんとのC/W歌というスタイルでリリース。OVA「テイルズ オブ シンフォニア THE ANIMATION」のエンディング主題歌『願い』でした。

『願い』は、とてもシンプルな、しかもパーソナルな視点での想いを綴った楽曲でした。1枚目の『みちゆき』のときは、自分の心と向き合って唄い、『笑顔の訳』のときは、自分の心を解き放ちながら唄い、そしてこの『願い』では、心の洋服を全部脱いで、素の自分のまま唄った。 そんな、「素の引田香織」の楽曲という印象が強く出た作品になっています。

4th作『手の中の永遠』は、アニメ「破天荒遊戯」のエンディング主題歌!

−−4枚目は、今年に入ってリリースになったアニメ「破天荒遊戯」のエンディング主題歌『手の中の永遠』でした。

この楽曲は、今までに唄ったことのない、とても明るい表情を持った楽曲になりました。でも、弾けた曲調とは異なり、歌詞はすごく切ない内容なんです。そのギャップが、『手の中の永遠』の面白さでもあるんですね。

−−明るい曲調と切ない詞の世界。その不思議なバランス感覚を、香織さんはどのように受け止めていました?

わたし、基本的に“生きることは切ないこと”と思っちゃうタイプなんです。だから、「切ない表情を持ちつつも、明日に向かって生きていくんだという希望も抱かせる詞」には、強く共感を覚えるんです。そういう詞と曲のバランスが、とってもお気に入りの作品にもなりました。

そして最新作『名まえのない道』は、アニメ「あまつき」のエンディング主題歌!

−−そして今回、アニメ「あまつき」のエンディング主題歌として流れている、『名まえのない道』が発売になりました。

運命を感じている作品です。デビュー作の『みちゆき』のときにも、作曲を梶浦由記さんに、編曲を坂本昌之さんにしていただいたんですけど、そのチームとふたたび出会えたのが、まずは嬉しかったです。
楽曲面でも、デビュー作の衝撃を残しつつ、「ふたたびこの曲で踏み出していくんだ」という気持ちにも導いてくれた楽曲になりました。

−−歌詞に綴られた、“遥かに広がる荒野や、夢を抱いて歩きだしていく姿”。それって、今の香織さん自身の姿にも重なる想いじゃないですか?

ホントその通りです。重なると言うよりも、自分の心とピッタリくっついて一体化しちゃったような。“こういう心境なのかな?”と想像を巡らせるのではなく、“そうだよね”と、わたし自身の気持ちへそのまま置き換えながら唄えたよう、すごくリアリティを持った歌になりました。

−−大学卒業と同時に、この春ついに上京。まさに今は、たった一人で未知なる世界へプロのシンガーとして歩き出し始めたわけですからね。

これまで経験のない厳しい現実の世界へポ〜ンと放り出された心境は、「あまつき」に出てくる六合鴇時くんと同じ気持ち。まぁわたしの場合は、知らず知らずのうちに巻き込まれてしまった鴇時くんとは違い、みずから飛び込んでいったんですけど(笑)。それでも、鴇時くんと似たような心境を覚えたからなのか、すごく感情移入しながら歌えました。

神様からのメッセージ!?

−−これまで発売した5作品とも、どれも異なる表情を持っているよう、香織さんはホント多彩な声色を描き続けてきたんですね。

きっと、一つのスタイルにまとめあげたほうが、聴いてる人たちにはわかりやすく伝わるのかも知れないけど、でもわたしの場合は、神様が「いろいろな楽曲を与えてあげるから、その中で葛藤しなさい」と言ってくれたからなのか(笑)、本当にいろいろな曲調を歌えるチャンスをいただけてますし、その楽曲たちを通し、“知らなかったわたし”に会えること自体が、ホント楽しいんです。

−−確かに、一つの枠へ押し込める必要なんてないですものね。

わたしは、まだたったの22年間しか生きてない。まだまだ“本当の自分探し”を続けている最中ですし、まだまだ“いろいろな自分の可能性”と出会いたいと思ってますからね。逆に今の時点で、「こうだ」と決めつけてしまうと、そこから広がりを持って前には進んでいけないような気もしちゃうんです。だからこそ、今のように“たくさんのスタイル”を表現していけることが、一番良い方法なのかな、とは思っています。

−−とかく日本人は、“カテゴリー”の中へはめたがる人種ですからね。

わたしもどこかそうだから、それで安心感を覚えるのもわかるんですけどね。でも、制作側の方々が、わたしへいろんな表情を求めてくれてるよう、その想いに応えていきたいわたしが居るのも事実。その意識は、これからも変わらず持ち続けていくつもりです。

本当に名曲とめぐり合えた

−−『名前のない道』は、今の香織さんにとってどんな楽曲になったと思います?

楽曲を聴いてくださった方々が、口々に「名曲だね」と言ってくださるんです。わたし自身も、「本当に名曲とめぐり合えた」と思っていると言いますか、楽曲制作陣から演奏者の方々、もちろん写真やアートーワーク、アニメ作品の制作陣もすべて含め、「本当に一流どころの人たちが集まった中で完成したんだなぁ」というのを強く実感しているんです。『名まえのない道』が出来上がっていく過程の中でも、一つ一ついろんな人たちの想いが加わるごとに、楽曲自体が豪華な装いを持っていくことを実感していました。それは、飾りの多い豪華さじゃなく、本当に芯を持った力強い豪華さと言いますか。「きっと100年後も残っていく」、そんな名曲になったと本気で思える素敵な作品になったと思っています。

−−ジャケットに登場する香織さんの姿も、とても幻想的ですしね。

これまでは、アニメの絵がジャケットになっていたんです。唯一『手の中の永遠』のときに、裏ジャケットへわたしの姿が映し出されてはいたんですけど、今回はわたしの姿が表ジャケットに登場。わたしの頭に乗っているのは、フラワーアレンジメントされたお花たちなんです。これを頭へ装着したときは、あまりにもの重たさで首がフラフラしてたほど(笑)。撮影中は、しっかり意志を持って立ってないと、すぐ身体が傾いちゃうくらいでした(笑)
でもこうやって、いろいろな人たちの想いが結晶となり形になっていったことが、わたしにはすごく嬉しい経験でしたね。

いろいろな人たちの想いが重なり合ったからこそ出来た名曲

−−この『名まえのない道』を通し、よりアーティスト引田香織という姿が前面に押し出された印象も覚えます。

やっぱり、アニメ作品のテーマ曲を唄うわけですから、何よりも重要視していくのは作品の世界観だと思うんです。でもこの歌には、アニメの世界に寄り添った物語が描かれているのはもちろん、わたし自身の想いや人間性までもが、一緒に重なりあって昇華しあっていけました。それが嬉しいことでしたし、だからこそ、強い責任感も覚えながら歌っていました。

−−この作品には、いろいろな人たちの想いが集約されていますしね。

そうなんです。いろいろな人たちの“作品へ懸ける強い情熱や想い”がどんどん重なり合ったからこそ、こういった名曲になったんだと思います。

−−裏ジャケットに描かれた『あまつき』の絵も素敵です。

鴇時くんたちのまわりに咲いてるあじさいが素敵ですよね。あじさいって、雨に打たれても綺麗な色を放っていく花ですし、たくさんの小さい花が一つに固まって大きな美しさを放っていく花でもあるんです。しかも一つ一つの小さい花のすべてが、形も色も表情も違っている。まさにわたしたちの社会と同じよう、俯瞰で捉えれば一つの大きな存在かも知れないけど、よ〜く観ると、いろいろな個性を持った、すべて異なる表情を持った花たちが寄り添いあって、あの美しさを描き出しているんですよね。そこにわたしは惹かれてしまいます。

「わたしの命と同じくらい大切に思える1曲」になりました

−−この『名まえのない道』は、今の香織さんにとってどんな1枚になりました?

いつも「大げさだね」と言われてしまうんですけど、この作品も、「わたしの命と同じくらい大切に思える1曲」になりました。それがすごく幸せですし、こういう歌たちを、これからもわたしは残していきたいなと思っています。

−−なんか、素敵な想いですね。

本当にこの歌には、いろいろな人たちにとって“大切な心の支え”となる想いが詰まっているとわたしは感じているんです。日々の暮らしの中、たいへんなことも多いと思います。そんなときにこの歌を聴いてもらえれば、心が安らげると思ってるし、「頑張らなきゃ」と思うときにも、気持ちを力強く後押ししてくれる。そんな子守歌にも応援歌にもなっていく楽曲になりました。ゼロの自分を取り戻したいと思ったとき、ぜひこの『名まえのない道』を聴いてください!

TEXT:長澤智典

 
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