エキサイトアニメ独占インタビュー
「マクロス7」で人気を博した架空のロックバンドFire Bomber。そのヴォーカル&ベースとして活躍したミレーヌ・ジーナスの歌を担当していたチエカジウラが、12年を時を経て、ついに復活。ミニ・アルバム『Gift 25〜A Tribute to Mylene Jenius〜』を発売した。かなり幻想的な内容の1枚に仕上がっているだけに、ぜひ聴いていただきたい。
冬眠期間を送っていた日々。その理由とは…
●miniAlbum『Gift 25〜A Tribute to Mylene Jenius〜』
Chie Kajiura
NOW ON SALE
価格:\2,625(税込)
GNCA-7109
1.SWEET FANTASY
2.LOVE SONG
3.君に届け→
4.MY FRIENDS
5.PILLOW DREAM
6.What's my name!
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−−Chieさんは、一時期音楽活動を止めていた時期もあったそうですね。
音楽活動をまったくしてない時期が何年かありました。でも、ここ2〜3年はライブ活動をぼちぼち始めています。昨年はKANAMEさんとユニット活動も行ってましたし、今年は、元GO-BANG'Sの森若香織さんのアルバムやマンスリー・ライブに、コーラス参加をさせていただいてます。
−−何故、一時期活動を停止していたのですか?
十数年前にデビューした当時のわたしは、作品を作る際メンタル的に深く自分を追い込む傾向があったんですね。当時は関わるスタッフさんも多く、いろんな意見が交錯していく日々を送っていく中、あまりにも脳味噌の動きが止まらなくなり、眠れないし、食べれないしという精神的/体力的に、どんどんみずからを限界点へ追い込んでいく傾向が強くなっていってたんです。その限界点を超えたところで気持ちが「疲れた」となり、一時活動を止め、そのまま、長い冬眠生活に入っていきました。
−−かなり、精神的に追い込んでたんですね。
そうなんです。わたし何事も白黒ハッキリしないとダメな性格なので、一度リセットする必要性を感じたんですね。そこで一度すべての環境をリセットし、あらためて自身の気持ちをフラットに戻しきったところで、無理ない程度で、徐々にですが活動を広げていきました。
マクロス・ナンバーの数々が、生で甦る??!!
−−『Gift 25〜A Tribute to Mylene Jenius〜』は、久しぶりの音源作品ですが、やはり出すきっかけは、夏に出演した「マクロス」の25周年ライブに参加したことだったんでしょうか?
あの日のライブに出演したことが、大きなきっかけでした。わたし自身、「マクロス」ナンバーを唄うのは本当に久しぶりだったんですけど、いざステージで歌ったらすっごく盛り上がってくれたし、「歌を聴いてこんなにも喜んでくださる方々がいるのなら、何かしらの形でマクロス・ナンバーたちを届けたい」。そう思ったことが、今回の作品に繋がっていきました。
−−「マクロス」ナンバーの数々は、今でもカラオケでガンガン唄われてますからね。
それには驚きでした。わたしがお休みしている間にも、年に何回かお知らせ(印税)が届くんですね。中を見ると、「マクロス」ナンバーたちがもの凄い数唄われてる数字が出てるんですよ。それを観るたびに、嬉しい驚きを感じていたんです。
−−夏のライブで唄ったのは、エンディング歌などでしたっけ?
そうなんです。劇中歌はいまだ生で歌ったことがないんです。だから年末年始に福山芳樹さんとご一緒するライブで、初めて披露することになります。しかもこの日は、お互いの持ち曲を唄ったり、互いに楽器演奏でそれぞれのステージに参加したりなど、「マクロス」ナンバーを軸に据えたうえで、いろんなスペシャルな企画も行う計画を立てているので、みなさんにも楽しみにしてて欲しいですし、わたし自身も楽しみにしています。
新たなスタイルで甦った「マクロス7」ナンバーの数々!
−−「マクロス7」内でMylene Jeniusとして唄った数多くの挿入歌の中から、今回は5曲セレクトし、『Gift 25〜A Tribute to Mylene Jenius〜』内で披露しました。今回はアレンジャーにKANAMEさん、LUNA SEAのSUGIZOさんが参加していることもあり、原曲とはかなり違う幻惑的な楽曲に仕上げていきましたね。
選曲した歌たちは、わたし自身がお気に入りのナンバーたちばかり。アレンジに関しては、今のChie Kajiuraとしてのスタイルをみなさんに伝えていきたい想いが強かったので、原曲をだいぶリアレンジした形で収録しました。
−−KANAMEさんとは、けっこう付き合いも長くなってますよね。
「マクロス7」のエンディング歌として唄った『…だけどベイビー』を手がけてくださったのがKANAMEさんでしたからね。途中、連絡の途切れてる期間もありましたけど、音楽活動を再開したとき、一緒にユニットを組んだり、森若香織さんの作品でも共演していて、もう13〜14年の付き合いになります。音楽面でもわたしの趣向性を理解してくれてるので、「こうこうこんな感じで」「ここの部分はこういう風に」など感覚的に言ってもそれを具体的な形にしてくれるので、作業面ではとてもスムーズでしたね。
−−かなり独特な幻惑世界を作りあげてますよね。インナーな世界にトリップしていくエレクトロなサウンド・ガーデンとでも言うか。。。
わたし、昔からポーティスヘッドなど“トリップホップ”系が大好きで、その世界観を具現化していきたいと思い続けてきたんですね。アルバム『LOOPHOLE』の頃も、そういうアプローチを試みたんですけど、当時のスタッフの人たちからは、「時代的に早すぎる」と言われたり。今でも、その手の音楽を演ってる人は少ないようですし。でも今の時代性であれば、とても似合う洋服になると判断。そこから、あらためて大好きな世界観を表現していきました。
−−SUGIZOさんも、その辺の音楽性は得意な方ですもんね。
そうなんです。わたしが「こんな感じで」と説明し始めたら、「全然大丈夫、大好きな世界観だから」と言ってくださいましたし。実際素敵なアレンジに仕上がりましたからね。
−−SUGIZOさんと一緒に演るきっかけも、教えてください。
もともと仲良くしてもらっていて、結構前から音楽仲間として面識はありましたし、「いつか一緒にやりたいね」という会話もしていた関係だったんですよ。しかもSUGIZOさんと「マクロス7」の監督さんがお友達関係だったり、SUGIZOさん自身アニメが好きということで、ホント「ぜひぜひ!!」という感じでお願いしました。
セルフ・プロデュースで作りあげたChie Kajiura World
−−アルバムの最後に、新曲『What's my name?』を収録。そこで聞こえるコーラスって、1曲目に収録した『SWEET FANTASY』の中に入れたコーラスと同じスタイルじゃないですか??
その通りです(笑)。そこには意味があって、最初と最後の楽曲に同じ要素を入れることで、作品自体が止まることなくループし続けていくんです。とくに「ループ」というのは、わたしが根底に据えているテーマでもありますからね。
−−そこには、どんな意味を持たせているんですか?
“すべては輪廻していく”。それをわたしは、“ループ”という言葉に置き換え、音楽のみならず、いろんな面で表現しています。音楽に関しては、“混沌”や“刹那さ”など、そういう意識や感覚を描くことが好きなので、自然とそっち寄りにはなっていくんですけど…
−−完成した『Gift 25〜A Tribute to Mylene Jenius〜』に対し、Chieさんは今どんな感想を抱いてます?
今回はセルフ・プロデュースという形ですべての作業に携わっていったよう、すごく可愛く愛おしい作品になりました。テザインなどのアートワークも、ROSSOのサトウミノルさんに手がけていただいたり、普段から接している音楽仲間たちと一緒に、1枚すべてをクリエイトできたのは、本当に嬉しく思ってます。改めて、わたしの中にあった音楽性を具体化できた作品になったと感じています。
−−中には、『LOVE SONG』のPVを収録したDVDも付いてきます。
映像でも独特な雰囲気を描きあげました。楽曲のイメージとリンクとした、とても不思議な世界が広がっていきますので、ぜひご覧になってください。
今の自分があるのも、「マクロス」シリーズがあったおかげ
−−「マクロス」という存在、Chieさんは今、どのように捉えてます?
「マクロス」の存在は、本当に大きいですよね。わたしがデビューするきっかけも、当時作っていたデモ音源を「マクロス7」のスタッフの方が気に入ってくださり、それをきっかけにプロとして羽ばたけたわけですし。今回の『Gift 25〜A Tribute to Mylene Jenius〜』を作るきっかけだって、夏に出演した「マクロス」の25周年イベントへの出演の声をかけてもらえたおかげです。こうやって本格的に復活し活動を始めたのも、やっぱり「マクロス」のおかげなんです。もちろんそこには、ズーッと「マクロス」作品や「マクロス」ナンバーたちを愛し続けてくださってるファンの方々の支えがあったからこそ、それくらい「マクロス」は、わたしの人生の中で大きな存在になっています。
−−以前にも本格的に動き出すチャンスやタイミングはあったと思うんですが、なぜ今の時期になったんでしょうか?
わたし自身は、自分の気持ちの中にある“素直な心のバイオリズムの波”に乗っかっているだけなんですよね。活動を止めたときも、潮が引くようサーッと人が居なくなり、「活動してるときはみんな寄ってきてくれてたのに、止まったとたん誰も声をかけてくれなくなるのね」と孤独感を覚えたり、もちろん、そのときもずっと応援したり接してくれる人もいましたけど・・・。「本当の人間関係って、この一握りの人たちだったんだな」と感じたり。休んでるときも、いくつか声をかけていただいたことはありましたけど、やっぱりわたしの心の波が揺れなかったから、動くことはなかったんです。その心の波を大きく揺さぶってくれたのが、「マクロス」イベントで唄った楽曲たちであり、その会場に集まった人たちだったんです。そこで、再びわたしの心の波が大きく揺れ始めたことが、今に繋がったと言っても間違いないと思います。
みなさんからの声があれば、これからも…
−−これからも、止まることなく活動を続けていかれるんですよね。
こうやって作品もリリースしましたし、せっかく本格的に動き始めたわけですからね。まして今のわたしの気持ちには、しっかり「前へ進むため」のエンジンが動いてますから、どういう表現形態を取っていくのかは、その状況ごとになるんでしょうけど、活動は続けていくつもりでいます。
−−今後もアニソン・シーンで活躍もしていただけるのでしょうか?
もちろんわたし自身は、求めてくださる声かあるのなら、応えていこうと思ってます。でもこればかりは、わたしの判断で決められることではないですし・・・。でも、わたしに出来ることであれば、これからも喜んで挑戦していきますし、まだまだ可能性の芽も広げていきたいと思ってます。
TEXT:長澤智典
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