つねにぶっさいくな顔をしながらトップギアのテンションで演じてたんです
−−のちにライオン丸Gへ変身することになる主役の獅子丸ですが、ふだんは女性にだらしなく、粋がってる割にとても喧嘩に弱い、すっごくおちゃらけたホストですよね。物語でも、かなり爆裂したお調子者演技を披露してましたけど。あの壊れっぷりは最高でした。
かなりぶっ飛んでましたよね。今回のDVDシリーズ発売をきっかけにあらためて発売中の『ライオン丸G Vol.壱』観たんですけど、つねにぶっさいくな顔をしながらトップギアのテンションで演じてるんですよね。あの当時は大根監督からも、「もっともっとテンションあげていこ〜」と言われ続けてましたからねぇ。もぅ何がすごかったって、「格好良く決めないで」って、しょっちゅう言われてたこと。。。
−−せっかくの主役なのにね(笑)
そう、監督はつねづね僕に対し「格好いい顔をするな」と言い続けてたんです。僕自身も二枚目俳優じゃないのは、事務所の社長からも「お前はほんとぶさいくね」と言われ続けているよう、十分自覚してましたし(笑)。今さら格好つけてもしょうないので、そこは徹底しておちゃらけた役に成りきりながら演じてました……と言うか、普段の自分が獅子丸と性格的に共通する面が強いから、けっこう自然体で演れてたんですよ。。。
自分では、“2.8枚目”と言ってます
−−そんなおちゃらけた方なんですか? 波岡さんって。。。
二枚目でいきたい気持ちは、、、皆無です(笑)。かと言って、3枚目と言われてるような方ほど人を惹きつける魅力がない。だから自分では、“2.8枚目”と言ってます。
−−2.8枚目って、なんかいいですね。でも白いホストスーツ姿は、二枚目的な姿として見えてたほど、かなり似合ってましたよ。
金髪で白いスーツ姿ってねぇ。。。でも意外と歌舞伎町であの格好をしてる分には、けっこうしっくり街の雰囲気へはまってしまうんですよね。撮影で使わせていただいたホストクラブの店長にも、「ホストが似合うね、俳優やめたらうちの店で働かない?」と言われてしまいましたから。でも意外だったのが、男性からの支持を多く得てたってことなんです。
−−男性支持、そんなに高かったんですか?
そうなんですよ。いわゆる格好つけた二枚目ホスト役ではなく、まるで漫画の世界から飛び出してきたキャラクターのような感じで演じてたことが、同性から支持を得た要因にもなってたようですね。
も〜すごかったですよ、臭いが(笑)
−−撮影も、かなりハードな日々が続いてたそうですね。
クランクインが8月7日でアップしたのが10月13日でしたから、あの物語を撮影してたのはちょうど真夏の頃。ただでさえテンション高い演技を見せてるぶん汗がすごいのに、さらにアクションまで演じてたでしょ。しかも撮影場所が歌舞伎町の中はもちろん、倉庫や廃墟などなど。空気も悪いし、湿度も高いし、全員汗かいてるし、みんな風呂入ってないしで、も〜すごかったですよ、臭いが(笑)。スーツアクターの人なんか、「こんなきつい現場は初めてだ」と言ってましたからね。
−−すごい環境の中で演ってたんですね。
そんなハードな撮影環境が日々用意されつつ、6〜7日連続撮影をやったりもすれば、明け方まで撮影をやったと思ったら、1〜2時間後には次の早朝からの撮影が始まったりという、体力面でも物凄いハードさ。たまに撮影休みがあっても、次の芝居用にと僕は、近所のファミレスに7〜8時間籠もりながらセリフ覚えをやってたんですよ。だけど『ライオン丸G』の現場って、アドリブがすごく多いんですね。突然出てきた台本に載ってない相手の会話へ、こっちも上手く対応してかなきゃいけない。。。それが、すっごく大変だったし、勉強にもなりました。
−−せっかくセリフを覚えても、無駄になってしまうことも多かったんじゃないですか?
じつはそうなんですけど(笑)。でも、本筋となる部分は台本通りに進んでいくわけで、その中での枝葉の部分でいろいろ現場ごとに変化していくという雰囲気だったぶん、覚えたことはけっして無駄にはなってないというか。そういうアドリブも含め、しっかり演じきってこそ…というのは、ありましたからね。
平気で女の子の前でチ○チ○掻いてるんですよ
−−獅子丸って正義のヒーローでもあるんですけど、本当に人間くさいキャラクターですよね。
だって、平気で女の子の前でチ○チ○掻いてるんですよ。そりゃあ、人間くさいですよ(笑)。しかも獅子丸は、憎めないバカって言うか、愛すべきおバカなキャラクターしてますからね。
−−でも情けなさそうに見せて、意外と心の中へは強い正義感を携えてるんですよね。
ホント、正義感は強いですよねぇ。始めはただのオチャラケ君にしか見えなかったんだけど、最後には自分の意志で何かをしようとしていくよう、徐々に勇気が獅子丸の中へ芽生えていく。。。その勇気を持っていくまでの気持ちの変化を、獅子丸の表情の中から感じてもらえたら、僕としては嬉しいですね。
−−『ライオン丸G』の何がすごいって、普通ヒーローは絶対的な強さを誇るものなんだけど。獅子丸自身が情けないためか、ライオン丸へ変身したときも、意外と情けない姿を披露していたこと。これって、画期的なヒーロー物ですよね。
確かに『ライオン丸G』はヒーロー物なんですけど、言われたよう、変身しても意外と弱いんです。ときには、変身さえしなかったこともありますからね。でも、そういうヒーロー物然としてないところが、この作品の良さだと思うんです。
普通のヒーロー物って、僕自身も出演経験があるからわかるんですけど、相手を倒して勝つという1話完結物が基本じゃないですか。でも『ライオン丸G』には、そのパターンは一切当てはまらない。むしろ、人間ドラマなんですよね。最初は情けなかった獅子丸も、やがて精神的に強くなり、最初は敵だったタイガージョーこと錠之介との友情を交わしつつ進んでいき、最後は「やっぱり正義が勝つんだ〜」と思ってたのに…最終話を観たら、「え〜っ!マジっ?!」みたいな展開でしょ。「俺のせいで、みぃ〜んな…」みたいな……。
−−そこは、ぜひDVDシリーズを通し、楽しんでいただきたいところですね。ちなみに、獅子丸は素の自分と近いと言ってましたが。普段の波岡さんも、そんなおちゃらけててエッチな方なんですか?
2.8枚目な役者ですからね、けっこう軽いですよ(笑)。下ネタを連発しちゃいますし。うちの社長なんか、共演者の方々に「何かあったら思いきり殴っていいからね」と言いふらしてるくらいですからね。僕としては、普通にスキンシップのつもりで言ってるのに(笑)。
なんじゃこりゃ〜・腐ったミカン
−−作品へは、『傷だらけの天使』や『探偵物語』『太陽にほえろ』などなど、いろんな名ドラマをパロディ化したシーンも登場。そこがまた、往時のドラマファンには、たまんないツボとして見えてました。
監督が30代後半の方で、そういう作品をムチャクチャ敬愛してるんですよ。だから作品の随所へ、過去の名作へ対するオマージュとしてパロディ化したシーンが出てくるんです。僕も松田優作ファンなんで、「なんじゃこりゃ〜」とかはわかるんですけど。「腐ったミカン」と言われても、リアルタイムでは観たことのない世代ですからね。でも、予告編でやってた『サザエさん』のパロディは、僕にもわかりました。
−−DVDシリーズは、2月の発売をきっかけに、7月まで全部で5巻が連続で発売になります。あらためてこの『ライオン丸G』の見どころを、波岡さんから語っていただけませんか?
とにかく、テンポ良く物語が進んでいく作品なんですよ。とくに1〜2話なんか、次々場面がスピーディに展開していくので、見てて釘付けになってしまうくらい。マジに1話を観たら次がすっごい気になるよう、13話すべてテンポ良く楽しめる作品になってると思いますし。特典映像では、撮影舞台裏や出演者の初KISSの話などなど盛りだくさんです。とくに本編では惜しくもカットされてしまった遠藤憲一さん演じるジュニアの長いアドリブ廻しなど、も〜見てて惚れ惚れしますよ。もちろん、こうやって現場が形作られていくんだという風景も伝わると思うのでぜひ見て欲しいです。
“通常版”と“特装版”がありますが、出来れば“特装版”の方を見て欲しいんですよ。「通常版との差額は僕が負担します」と言いたくなるくらい、絶対に“特装版”のほうが見どころ満載ですから。
−−ぜひ全シリーズ揃えていただきたいですよね。じゃあ最後に、波岡さんにとって『ライオン丸G』って、どんな作品になったと思います?
連続ドラマで主役をやらせていただいた初めての作品ということもあり、「とにかくいい作品にしなきゃ」というプレッシャーを背負いつつ、毎回演じてたんですけど。ホント自分の役者魂を、エコノミーからビジネスクラスにまで上げてくれた、大切な作品になりました。今年は何本かの映画撮影に力を注いでる年になっているんですが、またタイミングがあえば、こういうドラマには出たいですね。だって『ライオン丸G』は、胸を張って宣言できる僕の代表作ですから。
TEXT:長澤智典
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