役者・皆川純子が心がけている“唄う姿勢”
−−マキシ盤『SHOUT IT LOUD』へ収録した3曲、それぞれ曲調が異なってますよね。やはり収録する以上、違う表情を並べていこうという狙いだったんでしょうか?
『バラエティにとんだ選曲にしたい』という想いや、『3曲とも別人が歌ってると思われるくらい声の表情を変えたい』と言う気持ちがあったので、曲選びの段階から“まったく違う表情になりそうな歌”を3曲選ぶよう心がけてました。
−−皆川さんの場合、演じる意識で歌へも向かってるわけですもんね。
それぞれの楽曲に描かれた主人公になりきって唄いたいので、つねに“演じる気持ち”で歌っています。
−−いくら本人名義の歌とはいえ、あくまでも根本には“役者・皆川純子”という意識があるわけだ。
そうなんです。確かに“皆川純子”として歌ってるんですけど、私も演じ手の一人である以上、その特徴を活かしきった表現をしたいので、つねに唄うときは“その楽曲に登場する人の気持ち”になって唄うようにしています。
ジャケット写真へ隠された、意外な秘密…
−−今回は全曲解説をお願いしたいと思ってます。まずは表題曲の『SHOUT IT LOUD』からですね。
誰もが日々の生活の中、いらだちや焦燥感など『何をやっても上手くいかないな〜』と思う時ってあるじゃないですか。そういういらだちを抱えながらも、そこから抜け出す瞬間というか…バンッと壁を蹴破って青空の下へ飛び出してゆく印象を、この楽曲を聴いたときにまず受けたんです。
今回のジャケットはレコーディングを終えてからの撮影だったこともあり、『イメージはガラスを蹴破った感じ』と言ったら、実際に蹴破った感じにしていただけました。
−−その通りな感じになりましたよね。
今の時代ですから、こういうシチュエーションもパソコンを使えばどうにでも作ることができると思ってたんですけど、『臨場感を出そう』ということから、プロデューサーの方が何枚も厚さの違うガラスを用意。メイクさんやカメラマンさん、うちのマネージャーなど、男性陣がそれぞれにトンカチでガラスへヒビを入れながら、“一番蹴破った感じの出たヒビ割れたガラス板”を作成してましたからね。
−−じつは、そんなアナログな方法を…。
そうなんです。ガラスを割る作業にしてもけっこうな力を必要とするらしく、みなさんが一生懸命に叩いてる姿を見て、『私には無理だ』と判断。みなさんが作業してる姿を横目で見ながら、メイクをしてました(笑)
ロックな表情を持った『SHOUT IT LOUD』
−−『SHOUT IT LOUD』は、ロック・ナンバーとして完成。
私が機軸に据えながら歌っていきたいのが、ロック・ナンバー。今回もそこを表題歌へと据えつつ、C/W曲ではいろんな表情を出したかったんです。
−−楽曲を手がけたIKUOさんとのコラボも、最近ずっと続いてますよね。
『Endless way』『Deja Vu』そして『SHOUT IT LOUD』と、3曲連続でお願いしています。私自身IKUOさんの手がけた楽曲が大好きなので、今回もいくつか作っていただいた楽曲の中からピックアップし、この『SHOUT IT LOUD』へと決めました。
−−その際の基準って、何かしらあったんですか?
前作の『Deja Vu』が、かなりハードでインパクトの強い楽曲だったんですよ。なので、それ以上ハードなスタイルを求めてもちょっと目指している方向性から外れそうだったので、今回はロックとはいえおとなしめで、ちょっと渋い感じの楽曲にと決めました。
−−何かを壊し、新しい地平へ飛び出していこうとしてゆく歌詞。やはり唄うときも、その気持ちへみずからの意識も投影してたんでしょうか?
もちろん、歌詞を通し想い描いたヴィジョンの中へ、私自身の意識を投影させながら歌っています。私だって、そう。誰しも上手くいかないことや『どうしようもないな』『つらいな』『苦しいな』と思うことってあるじゃないですか。そのときの気持ちを思い出しつつ、楽曲が進むにしたがい希望を見い出していく姿を描いた内容なので、歌声を通し明るく爽やかになってゆく表情も描写。その流れも、楽曲を通し感じていただけたら嬉しいですね。
エロティックな声色も見せた『Sign』
−−2曲目の『Sign』は、とても大人びた雰囲気を醸しだした楽曲です。
この歌では、大人の女性として抱く“エロティックさ”を求めてみました。歌詞に綴られた内容も、かなり濃い恋心じゃないですか。だからサラリと唄うよりも、ちょっと『エロいよ』と言われるくらいの声で歌ってみたんですけど。出来上がりを聴いたら、『もっとエロティックさを出しても良かったかな』と思ってしまいました(笑)そこは、今度のライブで発揮しようかな(笑)。
−−歌詞へ綴られた心情は、女性として「わかる!」という気持ちでした?
この心情は、よ〜くわかります。“お互いの気持ちを交わしあうサイン”を題材にしてるのがいいですよね。♪見つめるEyes送るSign♪…そんな経験は一度もないし、『口に出さなきゃわかんないよ』という突っ込みも横に置いといて(笑)そういう表現って素敵ですよね。とてもロマンチックな歌詞だし、なかなか普段口に出しては言えない言葉たちが多く描かれています。それを口に出せるのも、歌ならではの魅力ですから。
みずから作詞を手がけた『優しい気持ち』
−−『優しい気持ち』は、皆川さんみずから作詞を担当。離れた関係へと置かれた恋人たちの心情を綴った内容にも思えました。
いただいた楽曲を聴いたとき一番最初に浮かんだフレーズが、1サビに出てくる♪離れていても変わらぬ気持ち♪という言葉だったんです。そこから歌詞の世界を広げていったら、なんか遠距離恋愛っぽい歌詞になってしまいました。でも恋人どうしって、遠距離恋愛じゃなくとも、そうそう毎日会えるわけではないのも現実じゃないですか。つねづね一緒に居られるわけじゃないけど、『会えなくても大好きだよ』という優しく甘い気持ちを歌にしてみました。
−−とてもほんわかとした、そんな温もり覚えゆく楽曲ですもんね。
楽曲を聴いた瞬間、“優しい”というイメージを強く抱いたので、そのまま『優しい』という言葉もタイトルへ入れてしまいました。みなさんにも、この歌を通し“ほんのり優しい気持ち”になってもらえたら嬉しいですね。
オリジナル歌とキャラクター・ソングとの差異や共通点
−−オリジナル曲と言えど、演じる気持ちで歌ってるということですがあえてお聞きします。キャラソンとオリジナル、どこに違いを持ってますか?
キャラクター・ソングは、そのキャラクターが特定されてるうえで唄うので、歌入れのときも、よくキャラクターの絵をブースへ持ち込み、譜面台にその絵を乗せながら、キャラクターの気持ちになりきって唄うようにしています。オリジナルに関しても、歌詞の世界へ気持ちを投影し、その主人公になりきる…という面では、キャラクター・ソングと“気持ちを入れ込む”うえでの大きな差異はないのですが、オリジナル曲は、自分の意見を取り入れてもらえるし、自分の好きように方向づけられるという点が、キャラクター・ソングとの大きな違いだと思っています。
2年ぶりとなるライブも決定!!
−−3月25日には、高田馬場AREAで、『SHOUT IT LOUD』発売記念ライブも行われます。
皆川純子名義としては、約2年ぶりになります。本当ならライブも、1年に1回のペースで演れたほうがいいんでしょうけど。。。でも今年は、皆川純子名義としての活動が増えていきそうなので、もっとみなさんにお会いできる機会が増えていくと思いますので、楽しみに待っていてください。今回はミニ・ライブ的な感覚なんですけど、新作はもちろん、今後作ろうと思っている新しいアルバムへ入れたい新曲なども披露するかも知れませんのでぜひ足を運んでくれたら嬉しいです。もちろん最新マキシ盤『SHOUT IT LOUD』も、聴けば聴くほど味の滲み出てくる楽曲たちなので、ぜひじっくり耳を傾けてください。
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