インタビュー
特撮ドラマ「ライオン丸G」の主題歌として流れている、『風よ光よ』。この楽曲は、1972年に放送された『快傑ライオン丸』の主題歌のリメイク版。唄うのは、「熱烈!アニソン魂」の着うた関連でもお馴染みの串田アキラさん。彼の“優しさも内包した熱い歌声”に、思いきりバーニングな気分!
TEXT:長澤智典
熱さだけじゃない、優しさも内包した『風よ光よ』
−−21世紀に甦った『風よ光よ』を聴いたときには、デジタル然としたアレンジへ嬉しい驚きを覚えてしまいました。
とても斬新なアレンジですよね。僕が最初に歌ったときは、まだ現在のアレンジになってない状態。だから僕自身も完成した楽曲を聴いたときは、「おっ!!」とビックリしたんですよ。もし最初からこのオケで歌ってたら、また今とは違った『風よ光よ』になっていたかも知れないですね。
−−串田さんが『風よ光よ』を表現するうえで強く心がけていた点、そこも教えてください。
原曲自体も、綺麗な印象ですよね。だけど僕の歌声は、どちらかと言うと熱い雰囲気が強いじゃないですか。もちろんライオン丸Gの持つ力強さを歌声で表現しつつ、ライオン丸Gはもちろん、この作品の中へ流れている“優しさ”も歌声を通し表現したかったんです。その表情も、『風よ光よ』の中から感じ取っていただけたら嬉しいですね。
歌詞へ、とてもせつなさを感じてしまった…
−−『風よ光よ』『ライオン丸のバラード・ロック』ともども、歌詞がブッ飛んでますよね。とくに『ライオン丸のバラード・ロック』に至っては、いきなり♪きのうお師匠様が死んだ♪という始まり方ですから…。これには驚きました。
正直『ライオン丸のバラード・ロック』を唄うときは、僕自身精神的にきつかったんですよ。と言うのも、この楽曲のレコーディング時期に、自分の兄貴が亡くなったんです。けっして兄貴の姿をだぶらせて歌ったわけじゃないんだけど、「死んだ」という言葉自体にすごい切なさを感じてしまってたのは確かです。まして、ああいう内生的な歌ですからね。
−−かなり、ヘヴィな歌詞ですからねぇ。。。
そう。まして中へ登場する歌詞へは、今じゃ使わないような言葉も入ってる。僕らの場合、最初に楽曲をもらい歌入れをするときって、タイプされた歌詞カードをいただく場合もありますけど、譜面のままということが多いんですね。もちろん歌詞は、メロディへ沿う形で平仮名で書いてある。だから物語の全容もつかめてない時期に、その歌詞だけを見ると、「これはどういう意味なんだろう?」と思うことがあるんです。漢字ならまだしも、平仮名だと正直つかみきれないこともあります。そのぶんレコーディングでは、楽曲の雰囲気を察知しながら、作品自体が醸しだすニュアンスをいかに上手く出していくかへ、なるだけ集中していったり。
今回の2曲にしても、最初にいただいたのが平仮名ばかりの譜面だったので、なるべく音の感触から表情を付けて歌った面もありました。
歌声の中へ喜怒哀楽のドラマを描きあげていくことが大切
−−過去にも、歌詞のニュアンスで苦労したことってありました?
ヒーロー物などはけっこう多いですよ。『宇宙刑事ギャバン』の歌を唄ったときも、中へ♪蒸着♪という掛け声が出てくる。これは、元々メッキ工場などでメッキをくっつけるときに使う言葉らしいんですが、劇中で主人公が変身する際の掛け声だったんです。でも、歌詞をいただいた時点では、平仮名だし、そこまでの意味なんてわかんないじゃないですか。そのときは、楽曲全体の雰囲気から言葉の持つ意味合いを探り出して歌ってました。
−−今回は、どんな苦労があったんですか?
『ライオン丸のバラード・ロック』の場合、お師匠さんが死んだことによる寂しい感情を入れすぎても、ただの悲しく寂しい歌になってしまう。でもこの歌では、しっかり希望を与えているじゃないですか。だから、その“寂しい感情をどこで前向きな思いへ転化していくか”という、歌詞の表情付けも大切になっていくんです。歌うときにそういう表情付けへは、ホント気をつけましたね。
−−なるほど〜、『ライオン丸のバラード・ロック』など言われた通りですよね。
最後まで悲しいだけで終わるのではなく、立ち向かってゆく前向きな思いも歌声の中へ描き出さねばならない。そういう声の表情を通したドラマを形作っていかないと、聴いてる人自身が、だんだんナーバスになってしまいますから。
ただ破壊するだけじゃ駄目、その中へ優しさを描かないと…
−−ヒーローだって、ただ強いだけじゃダメなんですね。
その通りなんです。いくら強い存在だからと言って、ただ喧嘩してるみたいに強いだけじゃダメなんですよ。“正義のために戦ってるからこそ、その中には優しさなどいろんな感情があふれている”。そこを感じて歌わないと。。。
たとえば、ただただ“強く”“強く”と求め歌ってしまうと、ヒーローなのに破壊しまくるだけの存在にしかなっていかない。実はヒーロー物の歌詞って字面だけ見ると過激な言葉で描かれやすかったりするわけですよ。それだけを捉えれば、ただの暴力や自然・環境破壊の歌になってしまう。でもロボットやヒーローたちは、そこへ“正義を掲げ戦う意味”を持ったうえで、それらの強い言葉を、歌詞を通し述べている。。。
ただ強い歌詞だけを鵜呑みにし歌ってしまったら、『やっつけろ!』ばかりの感情ばかりが目立ってしまい、絶対にまずいと思うんです。ましてこういう作品は、子供たちだって観てるわけですからね。だからこそ、たとえ『ぶつけろ〜!』という歌詞一つあったとしても、そこへ荒っぽさや熱さのみではなく、引いた優しい感情も詰め込んでいかなきゃいけない。最初は熱く歌っても、どっかで優しく抜いた表情も描いてかなきゃ意味がないと思っています。
−−確かにそうですよね。
それこそ♪戦え、戦え、戦え♪と、どんどん荒ぶる感情のみを詰め込んでいったら、なんでもかんでも破壊してしまう象徴になってしまう。でも主人公はヒーローですから、それじゃいけない。。。だからこそ声の押し引きのバランスが大切になってくるし、熱い感情が続いた中、引いた表情が見えることによって、『あっ、本当はこういう想いなんだ』ということへも気づいていける。そこが大切なんですよ。
子供に悪影響を与えないように…
−−「ライオン丸G」の歌にしても、どんな影響を子供に与えていくかわかりませんからね。
そう。いくら深夜に放送してるとは言っても、今は親が夜更かしだから、小さな子供も一緒に起きてたりするんですよ。ましてライブやイベントにだって、そういう小さな子供たちがたくさんやってくる。とくに「ライオン丸G」の舞台は、歌舞伎町ですからね。あの刺激的な雰囲気は、子供たちには目の毒でしょ。そういうところに気をつけてるからこそ、イベントでもあえて『深夜に放送だから、ちびっこはもぅ寝なさい』と言ったりするんです。
−−そういう、情操教育って大切ですからね。でも今だからこそ、歌詞へ込めた深い想いも理解できますけど。子供の頃は歌詞の意味など理解することなく、それでも歌詞を覚えてたわけじゃないですか。それを考えると、「すごいことだな」と思ってしまいました。
それは、よく感じますね。あるヒーロー作品のエンディングテーマにしても、完璧にラブソングなわけですよ。だけど当時5〜6歳だった子供たちが、普通に覚え、一緒にイベントで歌ってたわけですからね。
親子孫と三代で応援する人たちも増加中
−−最近では、親子三代で串田さんを応援してくださる状態になってるそうですね。
そうなんです。この間も大阪で開催されたパレードへ参加し、一番前で練り歩いてたんですけど、いきなりおばあちゃんがやってきて、「NHKの『ステージ101』へ出てる頃からのファンでしたよ。今日は串田さんが出るって言うんで、孫を連れてきちゃいました」と言われたり。まして僕がデビューした1969年時に青春を送ってた人たちでも、早い世代になると孫が居たりしますし、親子三代でイベント足を運んでくれたりというのも実際に出てきてるんですよ。と思えば、ゲーム関連のテーマ曲を歌ってることから、10〜20代のファンの方々も増えてたり。僕が唄い続けてきた戦隊シリーズや、「キン肉マン」関連の歌から好きになり、ずっと一緒に成長し続けてる30〜40代の人など、本当に幅広い層の人たちが僕のことを応援し続けてくれているんですよ。そういう人たちの期待や夢を裏切ってはいけないという使命感もありますし、そういう未来をになう子供たちへ、『強いだけがヒーローじゃない』『戦うだけがヒーローじゃない』という心模様も、しっかり僕の歌声を通し伝えてゆく。それも、大切なことだと思っていますから。
携帯着うたサイト『熱烈!アニソン魂』でも、串田アキラ楽曲を多数、絶賛配信中!!
−−串田さんの楽曲は、エキサイトアニメ兄弟携帯サイト『熱烈!アニソン魂』でも数多く配信させていただいてますし、いまだにたくさんの楽曲(別項参照)がダウンロートされ続けてます。
昔の楽曲から最近の表情まで、いろんな楽曲がラインナップされてますもんね。そうやって、ずっと僕の楽曲を愛し続けてくれるというのは嬉しいことです。僕自身が、唄うことを生きていく上での糧にしているよう、みなさんも僕の楽曲を日々の糧にしながら、つねに携帯していただいたり、カラオケで熱唱してください。
『君もソロで唄う・ゾ!』へ、君も参加するんだ・ゾ!
−−串田さんは、『君もソロで唄う・ゾ!』というイベントも定期開催してますよね。
このイベントは、“僕の楽曲を、僕も一緒に参加しながら、みんなで唄おう”というものなんです。イベントは、多くて50人くらいが限界のキャパで実施。まず最初に僕が何曲か唄い、その後参加した一人一人が僕の歌った楽曲のカラオケを持参し、みんなの前で唄うんです。それに対して僕がアドバイスをしたり、参加した人たちと一緒にトークをしたり、最後にミニ・ライブや、一人一人と記念撮影をやったり。なので、多くても50人が限度かなということでやってます。時間にして5〜6時間。最長で7時間というときもありましたね。
−−それ、ファンの人にとっては最高のイベントじゃないですか。
参加してくれるみんながまた、いろんな楽曲を持ってくるんですよ。大体有名な作品のOP/ED曲は誰かしら唄うだろうという想定のもと、挿入歌や埋もれた楽曲を発掘して持ってきたり。なにせ僕自身が、『そんな曲歌ってたっけ?』というものまで、みんな探し出してきますからね。次の『君もソロで唄う、ゾ!』では、絶対に『風よ光よ』や『ライオン丸のバラード・ロック』も、確実にメニューへ加わってるでしょうね(笑)
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