林原めぐみ『スレイヤーズ』に、林原の歌声に 逢いたくなったら「Meet again」・・・
TEXT:長澤智典

当時の『スレイヤーズ』、そして今の新しい『スレイヤーズ』を感じてもらいたいな。

――2年10ヶ月ぶりに『Meet again』(『スレイヤーズ』アニバーサリー・イメージソング)をリリースするということですが、そのいきさつを教えてください。

ここしばらくの間、妊娠・出産ということを経験したあとの私は、日々、新しい生き物というか物体と取っ組み合う毎日を過ごしていたので、自分でも自分の歌う姿というのがまったく想像がつかないような生活を送ってたんですね。なにしろそのことにすごくエネルギーを使うので、それ以外のことに傾けるエネルギーがほとんど残ってなくて。まわりの人たちも遠慮して歌の仕事を依頼することもなく、遠巻きに見ていてくれたんですけど。でも、その中の仕事の一環で、ある有名なキャラクターとして楽曲を歌ったときに、“あ、しばらく歌ってないなぁ”ってふと思って。そのときに“歌う林原めぐみ”っていう扉が少しだけ開いたんですよね。なんとなくやってもいいかな、とか、いやまだまだだろうとか思ってたときに偶然、『スレイヤーズ』のDVD-BOXシリーズの記念で、新曲を歌わないか、というラブコールがあったんです。せっかく歌うからには意味のあるものにしたいし、DVD-BOXを買えない人たちにも、当時のことを思い出したり、サービス感を感じてもらえるものを作ろうと。当時の『スレイヤーズ』、そして今の新しい『スレイヤーズ』を感じてもらいたいな、っていう気持ちになって作ったというのが今回の流れです。

――『Meet again』では作詞もしていますが、今回はどんな思いを込めて詞を書いたんでしょうか。

私の作詞のスタイルとしては、いつも基本的にいっぱい曲の入ったデモテープを頂いて、その中から歌のイメージや絵が浮かんでくる曲を選んで作詞をするんです。その段階では誰の曲かはわかってないし、誰かってことはあんまり関係ないんです。今回の場合もその曲を聴いているときに『スレイヤーズ』のキャラが私の中でよぎるというか、リナが見えるか見えないかということだけで選んだんです。今回は特にリナや『スレイヤーズ』を知ってる人がこの曲を聴いたときに、どれだけの人がリナの笑顔を思い出してくれるだろうかって思って。頭の中で見える景色って、みんなが一人一人それぞれ違うと思うんですよね。だからこそこの曲を聴いて、自由に自分の頭の中でリナを走らせてほしいんですよ。ジャケットのイラストも曲のタイトルにちなんで、現在の世界にやってきたリナと私のコラボにしたかったので、リナに私のコスプレをしてもらいました(笑)。

10年前の私と今の私のデュエット。10年なりの成長も込めてます!

――2曲目の『Get Along 〜SelfTag Version〜』は、オリジナルでは奥井雅美さんとのデュエット曲でしたよね。

このシングルを切ることになったときに、カップリングはどうしましょうって話になって。最初は『Meet again』だけで、って話もあったんだけど、せっかくDVD-BOXを買ってくれた人や、BOXを買えなかった人へのサービスだったりするんだから、シングルだけどミニアルバムみたいにほかの曲も入れちゃおうよ、みたいな。で、スタッフはみんな“えええーっ!?”って(笑)。『Get Along』は奥井さんのパートを私が歌ったら、10年前の私と今の私のデュエットになっておもしろくない? って。そういうことができるのも今の林原めぐみだったりするし、『スレイヤーズ』っていう作品だったりするな、って思って。10年前はコーラスのコの時もできない私だったんですけど、今回はちょっとコーラスのアレンジをしてみたりとか、そういう10年なりの成長も込めてますね。

――あらためて自分の10年前のボーカルトラックを聞いてみてどう思いました?

荒くていいなぁーって思った(笑)。なんか歌唱力がどうとか表現力がっていうレベルじゃないというか、そういう問題じゃなくて、10年前の私の歌は“とにかく体当たり!” みたいな歌い方なのね。で、“そんな私に体当たりっ!”って思ったら、結局“2人で体当たりっっ!”になっちゃいました。もうすっごいガチンコ勝負!! みたいな(笑)。最初は2人の私で歌うつもりだったんだけど、結局1人になっちゃったんですよ。意外と融合しちゃって。でもそれを最終的にコーラスがしっかり包んでて、とてもいい『Get Along』になりました。やってておもしろかったし、やっぱり“声優っていいな”って思っちゃったっていうかね(笑)。映像で10年前の私と今の私がデュエットするPVとかっていうと年の差がばっちり出ちゃうと思うんですけど、って、そうでもないか(笑)。だけど声にはね、その10年っていう時間の流れをまったく感じさせないものがあって、これが声優ならではの醍醐味なんだろうな、って思いました。3曲目の『Give a reason 〜Ballade Version〜』は『スレイヤーズNEXT』のオープニング曲なんですけど、ファンの方々の間でもすごく愛されていて、これだけ時が経っているのに、今でもラジオの番組ではかならず毎年1位か2位になるんですよ。だから正直言っていじれないと思ってたんですけど、ふと歌詞カードを見つつ、曲をゆっくり口ずさんでみたら鳥肌が立って、“あ、バラードでもいけるかも”って思ったんです。スローと歌うことでより歌詞の意味もより伝わると思うし。4曲目の『don’t be discouraged』は当時『NEXT』のエンディング曲だったんですが、このシングルのエンディングっていうことで、わざとそのまま入れました。当時のままの音を聞いて、その時の空気を思い出して欲しいんです。

“逆境”にこそ意味があるってことを学んだと思います。

――『スレイヤーズ』という作品に関わって感じたこと、得たことはなんですか?

“逆境に負けない”ってことかな。自分にとって理不尽だったり、不都合だったり、抱えきれなかったり、痛かったりつらかったりっていうものがきたときに、あ、これを越えればいいのね、っていう風に。でもどうやって越えたらいいかわからないから、悩むし、落ち込むし、考えるけど、そこに意味がある、いろんなことをしながらも、その“逆境”にこそ意味があるってことを学んだと思います。あと“強さ”もね。

――今回の作品をずっと待っていた林原めぐみファン、『スレイヤーズ』ファンの方々にメッセージを。

今までの仕事にしても、今回のシングルもそうなんだけど、とにかく私はいつも全力で自分のやることをやって、そのあとの評価はみんなにおまかせするんです。結果として売れるってことはとても大事なことなんだけど、最初からそれを目標にして作っているわけじゃないんですよね。今回は『スレイヤーズ』という作品を長きに渡って愛してくれている人に対して、どれだけ楽しんでもらえるか、どれだけ喜んでもらえるかな、とかいうことだけを考えて作ったので、本当に聴いてくれる人や欲しい人が買ってくれればそれでいい、って心から思ってます。私のことをずっと待っていてくれたりとか、いい意味でほっといてくれる人たちっていうのは、もう、ファンというカタカナではくくれない、私にとってあったかくてありがたい存在の人たちなんだという風にも実感しました。だから、もし『スレイヤーズ』という作品にもう一度会いたいとか、林原の歌声にもう一度会いたいと思ったときに、この作品に手を伸ばしてくれたらうれしいな、と思います。

 

リリース情報

『Meet again』SINGLE
ジャケット写真
2006.07.26発売
価格:\1,200(税込)
品番:KICM-1164
レーベル:キングレコード

『スレイヤーズ』DVD
ジャケット写真
2006.05.26発売
価格:\23,100(税込)
品番:BCBA-2479
レーベル:バンダイビジュアル

『スレイヤーズNEXT』DVD
ジャケット写真
2006.07.26発売
価格:\23,100(税込)
品番:KIBA91328〜34
レーベル:キングレコード

『スレイヤーズTRY』DVD
ジャケット写真
2006.09.21発売
価格:\23,100(税込)
品番:KIBA-91335〜41
レーベル:キングレコード

プロフィール

生年月日:3月30日
出身:東京都
血液型:O型

オフィシャルHP

http://www.starchild.co.jp/artist/hayashi/