幻想楽団「Sound Horizon」の中心人物のRevoと、『イリスのアトリエ』『プリンセスメーカー4』など、数多くのアニメ・ゲームの楽曲を歌ってきた霜月はるかが、1枚の作品を作りあげるためにコラボレートを実施。完成したのが、PS2用ゲームソフト『イリスのアトリエ グランファンタズム』の主題歌『schwarzweiβ〜霧の向こうに繋がる世界〜』を含む、6月14日に発売となる3曲入りマキシ盤『霧の向こうに繋がる世界』だ。同作品の魅力を、2人が物語の成り立ちからいろいろと語ってくれた。
TEXT:長澤智典
始まり〜波長の同調〜
――まずは、おふたりが一緒に演ることになった経緯から聞かせてください。
霜月:私も、幻想楽団「Sound Horizon」のリーダーのRevoさんも、同じレーベルとの関わりがあり、かつ私自身が、幻想楽団「Sound Horizon」へヴォーカリストとして参加したこともあって、お互いに知ってる関係というのが前提としてあったんです。私もRevoさんも、“ストーリー性を主軸に構築したファンタジックな世界観”を描いた音楽を表現しているという共通項もあったので、レーベルの方から「今度PS2用ゲームソフト『イリスのアトリエ グランファンタズム』の主題歌を作るんですけど、ふたりで一緒に制作してみませんか?」というお話をいただいたんです。
Revo:お互い知らない仲じゃないし、まして『イリスのアトリエ』シリーズは、ずっとはるかちゃんが歌ってきてる分、いろいろわかりやすい状況だったので、話を進めていくのは割とスムーズでしたね。
胎動〜物語の萌芽〜
――マキシ盤『霧の向こうに繋がる世界』は、3つの楽曲を通したひとつの物語として完成。ストーリーは、どういうきっかけから生まれたのでしょうか?
Revo:『イリスのアトリエ』という作品の世界観自体が、そもそも”霧で隔てられた世界”であり、その異世界へ足を踏み入れたり、逆に異世界から人がやってきたりという現象の起こる場になっているんです。「その設定と上手く繋がってゆくような物語を作りたい」というところから、まずは、2人で物語を構築してゆく話を始めていきました。
霜月:「霧の向こうには、幻想的な森が広がり、そこでは…」と言うように、ゲームには登場してこない世界とはいえ、そこまで物語の枠をふたりで広げながら、『イリスのアトリエ グランファンタズム』の主題歌へ繋がるストーリーを構築していったんです。「CDの中へどのような世界観を描いていくか」「どういった状況を、そのパート(曲)ごとに映し出していくか」と言うことに、何よりも時間を注ぎ込んでいきましたね。
創作〜ふたりの意識の交流〜
――この作品では、共に作詞/曲を担当なされてますよね。
霜月:この作品を作るにあたり、お互いに「1曲ずつ作詞と作曲で共演しあおう」ということで、あらかじめ決めたテーマへ寄り添い、創作を始めていきました。
Revo:1〜2曲目では、お互いの世界観を共有しながらオリジナルのストーリーを制作。そして3曲目では、先にも述べたようゲームの世界観へもシンクロしていきながら、ひとつの流れを持った物語を形作っていきました。
『Weiβ〜幻想への誘い〜』
――冒頭を飾るのが、「森の奥へ水汲みに出かけた少女が、霧の奥で亡き父親の幻と対面していく様を描いた『Weiβ〜幻想への誘い〜』ですね。
霜月:森と湖に囲まれたのどかな朝の風景から、物語は幻想的な音と共に幕を開けていきます。
Revo:アレンジしていく時点ですでに、さえずる鳥の声を聴きながら、カメラが羽ばたく鳥を追うように上空を映し出していき、ここでバンッとタイトルが登場…など。そういう風景を思い描きながら、それを実際に音として聞き手へ思い起こさせる…そんな、サウンド・メイキングを施していきました。
『Schwarz〜そして少女は森の中〜』
――船を漕ぎだす音が聞こえると共に、気がついたら2曲目へ…。ここでは幻惑的な森の中で、霧に惑わされる少女の様子が描かれていきます。
Revo:この作品は、切れ目なく繋がってゆくひとつの物語というのを強く意識してたこともあり、「気がついたら次の曲が始まっていた」というような、流れる繋がりを大切にしているんです。ここでも小さなボートを漕ぎだした音を背景へ組み込むことにより、次のシーンへ移っていったんだというのがわかるように、背景音で物語を彩っていく術を施していますし…。
歌詞では、”森”へ焦点を当てて、2人の心模様と重ねあわせながら描写。この森自体のイメージに対しても、「ここにはこういう生物が住んでて」など、いろんな細かい設定を敷きつめたうえで、描きあげていきました。
霜月:お互いが持っていた抽象的なイメージが、そうやって歌詞を通し具体化した像として浮かびあがってゆく様が、印象深かったですね。楽曲面でもRevoさんが言ってたよう、『Weiβ〜幻想への誘い〜』『Schwarz〜そして少女は森の中〜』『schwarzweiβ〜霧の向こうに繋がる世界〜』と一つの繋がりを持った、それこそ3曲で一つとなる組曲として作りあげていったので、この自然な繋がりが産まれたんだと思います。
『schwarzweiβ〜霧の向こうに繋がる世界〜』
――そして物語は、大きな展開を見せていきます。
霜月:もともと『イリスのアトリエ グランファンタズム』の主題歌という設定があったこともあり、これまでの2曲とは多少カラーの違う部分が描き出された歌になってますね。歌声に関しても、『Weiβ〜幻想への誘い〜』と『Schwarz〜そして少女は森の中〜』では”ストーリーテラー”として唄うというか、”物語を伝えゆく語り部…吟遊詩人”のような意識で唄いかけてゆくんですけど、この『schwarzweiβ〜霧の向こうに繋がる世界〜』に関しては、楽曲の勢いや前向きな表情で力強く歌いあげていますね。
Revo:トータル15分強の物語とはいえ、絶対にこの3曲のこの並びでないと成立し得ない構成になっているのは確かです。ちなみにゲームでは、この物語が1分半のオープニングムービーとして展開。じつはすべての物語の発火点になったのが、その1分半の世界だったので、そこと照らし合わせ、どう広がったのかを味わってもらうのも楽しみ方のひとつかも知れません。
霧〜霧へ隠されたイリスと2人の物語〜
――この作品では、”霧”がとても重要なキーワードとして描かれていきます。
Revo:「霧の向こうに広がる世界」というよう、“霧”を重要なファクターとして捉えてます。それは物語を彩る全体的な世界観や、1曲1曲へ投影した詞の内容はもちろん、サウンド面や歌声でも重要な役割を担っています。とくに歌声では、はるかちゃんがかなり多くの歌声を重ねながら、フワ〜ッとした霧の感じを、その歌声を通して描きあげてますし。その気持ちを僕も受け止め、受けたパスをしっかりゴールへ決めてゆくという意識で、アレンジやミックスを施していきましたからね。
霜月:もともとコーラスを演ってきた人間なので、歌声を重ねながら世界観を作りあげてゆくのは、私の得意分野なんですよ。そこは制作を始める段階から、「コーラスのいっぱい入った楽曲を作ろう」とRevoさんに言ってましたからね(笑)。
Revo:メインとなる声の旋律があり、そこへ数多くのコーラスが重なりあっていくんだけど。コーラスだけでも1曲成立するくらいの雰囲気があるからなぁ。
霜月:それもRevoさんのアレンジセンスだと思いますよ。左右へ音が飛び交う臨場感など、かなり細かいディテールにまでこだわって制作してくださいましたから。
ライブ〜新たな物語の誕生〜
――この記事を目にする頃には、「Sound Horizon Live Tour 2006-第一次領土拡大遠征-」がスタートしています。
霜月:ここはSound Horizon としてのライブとなるので、私もゲスト・ヴォーカリストとして参加。もちろん全体を彩る物語の一要素として、今回の『霧の向こうに繋がる世界〜』を表現していくつもりです。
Revo:CDではいろんな音を使い豪華に作りあげていますけど、ライブでは総勢14人ほどのメンバーたちと、生だからこそ表現していける世界観として、いろんな楽曲たちを描いてゆくと思います。だから楽曲によっては、よりロックな臨場感だって生まれてくるかも知れないし…。
霜月:中にはCDと同じ世界観を求めたくてライブへ足を運ぶ方もいるのかも知れませんが、やはりライブって、その空間の中だからこそ活かせる楽曲アレンジを楽しむ世界だと思うので、そのステージならではの世界観を味わっていただきたいですね。
Revo:その場のノリや臨場感を活かしながら、物語を広げていくつもりだし。ガッと盛り上がってゆく風景も作りあげていくので、もしかしたらはるかちゃんだって、盛り上がり次第ではバック転だってしちゃうかも知れない。。。
霜月:えっ、あの格好で…ですか(笑)
エキサイトアニメ『霜月はるか&Revoサイン入り色紙』プレゼントキャンペーン
応募は締めきりました。たくさんのご応募ありがとうございました。
『霜月はるか&Revoサイン入り色紙』を3名さまにプレゼント!
応募〆切:2006/6/15 正午
※当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。
※ご応募はお一人様一回に限らせていただきます。 |
|